ドラクエシリーズで初めてプレイした作品でRPGにハマるきっかけとなった個人的に思い入れの深いドラゴンクエスト3。シリーズナンバー1のデキという人も多いこの作品の感想を書いていきたいと思います。
原作のファミコン版とリメイクされたスイッチ、PS4版をプレイしました。
良ければご一読を。
※ネタバレ無しです。
※プレイ時間は35時間ほどででクリア済み。
※リメイク版はPS4、スイッチ、3DS共に同じ内容
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | 原作:ファミリーコンピュータ リメイク:PS4、スイッチ、3DS |
発売元 | エニックス (リメイクはスクウェア・エニックス) |
開発元 | チュンソフト(リメイクはビー・トライブ) |
シナリオ、ディレクター | 堀井雄二 |
キャラデザイン | 鳥山明 |
音楽 | すぎやまこういち |
発売日 | 原作:1987年1月36日 PS4リメイク:2017年8月10日 スイッチリメイク:2019年9月27日 |
クリアまでのプレイ時間 | 25時間~35時間 |
特徴 | ・スーパーファミコン、ゲームボーイカラーでリメイク ・スマホに最適化されたスマホ版が配信 ・スマホ版がPS4、ニンテンドー3DSに移植 ・仲間をキャラメイクできる ・バッテリーバックアップ機能(ファミコン版)でセーブ可能 ・ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン& スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・IIIに原作とスーパーファミコンのリメイク版が収録 (Wii) ・リメイク版音楽はアレンジ ・ダウンロード専用 |
原作のファミコン版ドラクエ3、リメイク版ドラクエ3の主な違い
まず簡単に原作のファミコン版ドラクエ3 、リメイク版ドラクエ3の開発経緯、主な違いを。
経緯としてはドラクエ1、ドラクエ2と同じく
原作発売→その後スーパーファミコンでリメイク→スーパーファミコンリメイク版がスマホに合わせ最適化→そのスマホ版をPS4、スイッチ、3DSに合わせ最適化
とのこと。
PS4、スイッチ、3DS版は内容はすべて同じものです。
●ドラクエ3 ファミコン版とスイッチ、PS4リメイク版の主な違い
- 基本的には過去にリメイクされたスーパーファミコン版を準拠(持ち物をまとめて入れられる袋システムや全体攻撃ができるブーメランなどの装備品の追加、ステータス補正がされる性格要素、ドラクエ4のように味方が勝手に戦ってくれるAIなど)
- キャラの等身が上がっている
- モンスターの絵がイラストっぽい
- マップの上のアイテム、隠し階段などの位置にキャラが乗っかると目印が出る
- 全体攻撃ができる武器の影響もあり戦闘難易度がやさしめに
- トロフィー対応(PS4のみ)
- ソフトのバッテリーバックアップではなく普通にストレージにセーブ記録可能
- 一部じゅもんの消費MPが少なくなっている 例:ルーラは消費MP1で使える
- 便利ボタンでコマンドを選択しなくても話したり、調べたりできる
- 移動スピードアップ
- 音楽はアレンジされている
※スーパーファミコン版にあったすごろくはありません
ゲーム内容全体がさらにボリュームアップ
堀井節がいい味を出している
前作ドラクエ2よりマップが広くなり、ストーリーと謎解きもボリュームアップしました。魔王を倒し世界を救うという物語はシリーズ同様です。
一本道のストーリーですがこちらもシリーズ同様自由度が高くある程度好きな順番でイベントを攻略していけるため、自分で冒険をしている感じが味わえます。
そしてこのドラクエ3あたりからストーリーが華やかになりいわゆるファンの間でいわれている「堀井節」というものが強くなった気がします。
前作まではプレイヤーにマップ上を移動させるための最低限装飾されたストーリーという感じじゃないでしょうか。
といっても、今のRPGももちろんプレイヤーにマップ行き来してもらうためにストーリーが書かれているのが基本だとは思います。例えば洞窟で薬の材料になる幻の薬草をとってこいとか、町を襲う盗賊団のアジトに行き退治してきてくれだとか。
このドラクエ3ももちろんそうなのですけれど、その盗賊退治なら退治するまでの演出が強化され、退治すると盗賊が許しをこうて許すかどうか選択できるなど、ただダンジョンに行き盗賊を倒すというだけではなく見せ方がこっています。
ドラクエのストーリーは個人的感覚では子供のころ読んだりした昔話やおとぎ話を体験しているような感じがし、こういう所が子供から大人まで世代を超えて幅広く楽しまれる要素の一つなんじゃないでしょうか。
謎解きの難易度は前作ドラクエ2よりは易しくなったように思います。ドラクエ2が難しかったのでちょうどいい難易度になったんじゃないかと。
敵は強く全滅することもしばしば。ただ根気よくキャラを鍛えれば勝てるので初心者でも十分楽しむことはできます。
スイッチ、PS4のリメイク版でも大きな変更はなくドラクエ3独特の味わいが楽しめます。
仲間のキャラメイクが目玉
ドラクエ3で一番の特徴というのはやはり仲間をキャラメイクすることができることだと思います。当時のファミコンのゲームでは珍しかったと思います。
主人公は勇者固定で仲間は戦士、魔法使い、商人などの7種類の職業選べ、あとは名前と性別のみ決められるという簡素なもの。基本は押さえているので十分仲間に感情移入して冒険することができます。
多くの人が勇者、戦士、僧侶、魔法使いのパーティを組んでプレイしたんじゃないでしょうか。管理人もたまに格闘家を戦士の代わりに加えてプレイしていました。
あと、パーティの隊列の順番が前のほうになるほど敵の攻撃を受けやすいのでHPが高く防御力のある戦士を先頭にしていた人は多いんじゃないでしょうか。
管理人の友達もそうしていたのですが、個人的にはやはり先頭にはリーダーである勇者が立たないといけないとこだわって前にしていたので友だちに見られて訳を説明すると、笑いながらも納得しているようでした。そんなちょっと面白い思い出があります。
職業についてはもう一つ要素があり、ある場所で勇者以外の職業は転職することができます。
例えば、魔法使いが戦士に転職すると今までに覚えたじゅもんが使え、育てていくと戦士なので攻撃力が上がり、魔法が使える戦士になり万能キャラを作ることができます。キャラ育成に幅ができて楽しめると思います。
キャラの描写が前作よりさらに向上しサブキャラも魅力的になりました。といっても過剰になっているわけではなく想像力で補う部分が大きいのは変わらないので想像する楽しみは残っています。
個人的にはドラゴンボールのキャラなどに置きかえるのも面白いと思います。まほうつかい男は亀仙人、ぶとうか男は天津飯といったところでしょうか。(笑)
スイッチ、PS4リメイク版はキャラ育成で性格という要素が追加。
キャラ登録時にたねの振り分けで性格が決定しステータス補正が加わります。レベルアップ時のパラメータ成長率にも影響します。
育成の方向性が広がった感じです。
音楽もやはり一級品
音楽のクオリティも落ちることなく高いレベルを保っていて印象に残る曲が多いです。特にフィールドの曲が素晴らしく冒険している感がよく出ていてプレイして何十年たった今でも覚えているくらいです。
場面場面の雰囲気に合っているのも素晴らしいです。同じ探索場所でもダンジョンなら薄暗くおどろおどろしい感じが出ていて、塔の場合はちょっと不思議で怪しいテンポのある感じがして雰囲気が出ています。
スイッチ、PS4リメイク版の音楽は原作の味を殺すことなくいい感じでアレンジされているので原作をプレイしたことのある人でも違和感がないと思います。
同じ町の音楽でも昼なら昼らしい感じ、夜なら夜らしい感じと曲調が変化して芸が細かいです。
ち密になったグラフィック、セーブ機能初搭載
グラフィックはぱっと見そこまで変わらないように見えますが町の建物の壁はドラクエ2ではひとマスにいちブロックで描かれ、ドラクエ3ではひとマスに灰色のレンガが複数で描かれていてち密になっています。海の描写や洞窟の壁などもち密になっていてクオリティアップしています。
あと新たに昼と夜になる要素が加えられ町でも話す人のセリフが変わったり寝ていたりするので、住民の生活感があり町の探索の楽しさが増えました。フィールドでは夜になると強いモンスターが出てきます。
ドラクエ3でようやくパスワードから解放されバッテリーによるセーブデータの保存ができるようになりました。3つまでデータの保存ができます。
マルチウインドウとコマンドは前作とほぼ同じだと思います。ドラクエ11でもこのシステムが使われているのでそれだけ完成度のシステムという事だと思います。
スイッチ、PS4リメイク版ではリメイクドラクエ1、2よりもグラフィックは緻密になっていているようでドット絵的にいい感じになっていると思います。
ただ、モンスターの絵やキャラの絵は何となくイラストチックだしフォントも妙にきれいなのでちぐはぐ感はあります。この辺りが統一されていればグラフィック的に文句なしだったのに残念。
セーブ機能はもちろん搭載でバッテリーバックアップ方式ではないのでデータが消える心配から解放されました。
マルチウインドウは残っていても便利ボタン(〇などの決定ボタン)で話したり調べたりできるので利用機会は多少減りました。道具使用、強さ確認、システム変更などで使います。
何にせよ名前通り便利になったので快適にプレイできると思います。
ドラクエ2までの不満部分は大体解消されたが
衝撃に弱いのかセーブが消えやすい
シリーズ三作品目という事もあり大分洗練されたドラクエ3とはいえ今度は新しい部分で問題が出てしまっています。
待望のバッテリーバックアップ機能だったのですが、セーブデータがとても消えやすいです。
ドラクエ3をプレイ中お母さんが掃除をしていてその時少し、コツンとファミコン本体に掃除機を当ててしまうとファミコンはフリーズ(バグって)してしまい、慌ててファミコンの電源を入れるとドロロン、ドロロンという音楽と共に「冒険の所が消えました。」というメッセージが流れ泣きを見るというそういう話をよく耳にしました。
幸い自分のソフトはタフだったのか毎回電源を入れるたびにビクビクしながらもデータは消えることなく無事クリアまでたどり着けました。
これはドラクエに限らずバッテリーバックアップを搭載したソフトの宿命ですからファミコン、スーパーファミコンのソフトは特にプレイ時間の長いRPGのソフトは気を使って扱っていました。
それを差し引いてもドラクエ3のソフトはセーブデータが消えやすいことで有名でした。それだけ人気がありソフトが出回っているからそう感じられたのでしようか。
スイッチ、PS4リメイク版ではセーブ機能がバッテリーバックアップ方式ではないのでデータが消える心配はほとんどないです。
転職のしどころが難しい
面白いシステムとはいえ転職のやっかいな所は転職するとレベル1からまた育てなくてはいけないところ。ある程度ゲームを進めた状態だとレベル1ではほとんど戦力にならないし育てていくのも結構大変です。
あと移動スピードは一作目のドラクエから変わることなく一緒だと思います。今の感覚からすると遅く感じる人は多いと思います。慣れれば問題ないし、あまり早すぎてもワ-ルドマップなんかは世界が狭く感じられ逆効果だと思うのですが。
スイッチ、PS4リメイク版でも転職システムの変更はなく転職するとレベル1からになります。レベル1からでも転職できる頃にはもらえる経験値も増えているので隊列の一番後ろにしてやると死ぬ可能性も低くなり結構サクサクレベルが上がります。
移動スピードは速くなっていますが現代からすると遅いかもしれません。でもマップ自体がそれほど広くないのでストレスを感じることはないと思います。
ファミコン版、リメイクのスイッチ版、PS4版どれで遊んだらいい?
難しいものに挑戦したい、本物のドラクエ3を味わいたい人は原作のファミコン版一択だと思います。でも遊ぶ環境を整えるのがかなり大変。
まずファミコン本体を持ってないとアマゾンや駿河屋などでファミコン本体を中古で買うかレトロフリークのような互換機が必要になります。さらにソフト自体も買わないといけないので結構な出費に。やはりスイッチなどのリメイク版で遊ぶのがいいでしょう。
スイッチとPS4との違いについては特にありません。内容は同じです。PS4版はトロフィーに対応しているというくらい。
トロフィー機能が欲しい人はPS4版、持ち運びがしたい人はスイッチ版という感じでいいと思います。スイッチ本体の画面だとドットもちょうどいい感じになりますし。キャラやモンスターのイラストっぽいのがあまり目立ちません。
もちろんスマホ版というのもアリです。
ドラクエ3感想まとめ
前作ドラクエ2でできた原型を昇華させてRPGの一つの完成形までもっていったドラクエ3。
マップ、謎解きと全体的にボリュームアップし堀井節も色濃く出て、音楽もハイクオリティ、キャラメイクと転職など新要素も盛り込んでスキのない出来になっています。
ただ、ファミコン版の場合セーブデータが消えやすいのが難点ですね。セーブデータが消えて結局クリアできなかった人も結構多いんじゃないでしょうか。
おばあちゃんに買ってもらったこのドラクエ3でRPG人生を歩むことになった自分にとっては罪深きソフトですが、本当に夢中になってプレイしてました。懐かしいです。
今プレイしても通用すると思うのでお子さんや若い人にぜひプレイしてほしいですね。
コメント