家庭用ゲーム機対応で数えると約14年ぶりにPSVita用ソフトとして発売してくれたサガシリーズ最新作の「サガスカーレットグレイス」。
今回はそのバージョンアップ版、「サガスカーレットグレイス緋色の野望」をレビューします。
よかったら何かしらの参考にしていただけたらと思います。
※ネタバレは無し。
※プレイ時間は主人公はレオナルドで60時間ほどでクリア済み。
※家庭用ゲーム機からスマホまで内容は同じ。
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | ニンテンドースイッチ PS4、Steam(PC) ios、Android |
エディション | バージョンアップ版 |
発売元、開発元 | スクウェア・エニックス |
ゲームデザイン | 河津秋敏(サガシリーズ) |
キャラデザイン | 小林智美 |
音楽 | 伊藤賢治(サガシリーズ) |
発売日 | 2018年8月2日 |
クリアまでのプレイ時間 | 1キャラ30時間から50時間 |
特徴 | シリーズおなじみのプレイヤーによって変化していく フリーシナリオ。 町の中を歩き回ったりダンジョンを探索する要素がない。 |
新要素 | 通常版から細かいものも含め400以上の変更点がある。 主にロード時間の短縮、移動速度の変更可、 2種のUIの切り替え、敵の強さの変更可、 キャラクターボイス追加、イベント追加、 周回引継ぎ要素選択可、高解像度化など。 |
システム、新要素解説。サガシリーズ産みの親、河津秋敏氏降臨。
間違いなくサガの血統を持つサガスカ
よく練られた戦闘システム
まず戦闘システムの簡単な説明をします。簡単にしても長いので面倒な人は飛ばしてください。
戦闘システムはゲームの中で徐々に理解していけばいいと思います。
このゲームの戦闘はタイムラインと言って時間の概念が強く影響し、早く行動して敵をスタン(行動キャンセル)させたり、溜め続け強力な術を発動させたりと行動の順番を意識して戦闘を組み立てていきます。
すべてのキャラの行動を決めてから攻撃を開始するターン制です。
戦闘中、行動するにはBPというポイントが必要となります。BPはパーティ単位で管理されていて各キャラが技や術を使うとそれに応じた分のポイントが減り、BPがなくなるとそれ以上技や術は使えません。何も使わないと防御となります。
BPは1ターンごとに回復し、陣形によって回復ポイントや条件も異なり、初期値と最大値も異なります。
キャラが倒れた時タイムライン上でその倒れたキャラの両隣が味方同士の場合は倒れたキャラの表示が消え味方同士のキャラが連なって表示されます。これが連撃となり、味方の隣接している人数に応じて敵に連続攻撃が行われ大ダメージを与えられます。
連撃の発生した次のターンは連撃したキャラの消費BPが減少し、高消費BPの威力の高い技が複数使え多くのダメージが与えられます。
連撃は敵パーティも発動してきます。
連撃動画、10分位から。
技はシリーズ同様ひらめくことで覚えてスキルレベルで強化していきます。
術は火、水、木、土、金の五行属性があり、戦闘した場所の属性のフラックスというものを戦闘終了後に吸収し蓄積していくことで覚え、強化していきます。
武器にも斬、打、突などの属性があり敵によっては斬に弱いなどと弱点になることがあります。
シリーズ同様、HPのほかにLPもありHPが0になるとLPが1減少しLPが0になるとしばらく戦闘に参加できません。
回復アイテムは存在せず、回復の術は回復量が少なく発動に時間がかかります。
陣形によってはランダムで恩寵(おんちょう、神の恵み)が発生し回復してもらえますが運任せなので回復に頼らず戦闘していくことになります。
武器、防具は戦闘で手に入れた素材を消費して街にある鍛冶屋で強化していきます。強化を繰り返すと鍛冶屋がレベルアップし、さらに強い武器に強化できるようになります。
以下感想、
この戦闘システムはとてもよく考えられていると思います。
RPGの常識であるHPの回復がやりずらいため他のゲームではあまり使い道のない「防御」の重要性が増すし、連撃など使って攻撃力の高い敵を一気に倒す、素早い味方キャラで敵のスタンや麻痺を狙うなど回復に頼らない戦略が必要で独自性があります。
戦闘で一番重要なのが連撃ですが、これを狙うのにキャラの使う技や倒す敵を考えタイムラインを調節し、見事に連撃が発動したときはかなりの爽快感があります。おそらく連撃をうまく使うことによって強敵に勝てるバランスになっていると思うので積極的に狙って行く事になり、じっくりと考えて遊ぶ将棋などと同じで先を読むように思考する楽しみがあります。
そのほか技、術のひらめきなどのキャラ育成、陣形、武器強化など戦闘に影響する要素が多くまさに戦闘を楽しむゲームだと思います。
シリーズ伝統のフリーシナリオ、個性的なキャラ
ストーリーはフリーシナリオでかなりの数のイベントがあるので楽しいです。
自分の取った行動がしっかり反映されるしその結果がワールドマップ上のグラフィックで描かれにぎやかです。
キャラも個性的で一癖も二癖もありキャラの数はかなり多いけどあまりダブった感じはしません。不良の農民や陶芸家が主人公だったりとユニークだと思います。
3Ⅾモデリングもイラストのキャラが違和感なく3Ⅾ化しています。
人との会話はいわゆる立ち絵が表示されるだけの紙芝居ですがサガシリーズ同様独特のセリフで味わい深くキャラの数も多いので飽きることはないと思います。
意外とクオリティの高いグラフィック
携帯ゲームの移植版なので期待していなかったのですが、グラフィックはきれいです。
キャラのモーションや技のエフェクトもかっこいいし、ワールドマップも華やかです。
14年経ってもイトケン節は健在
音楽は伊藤賢治氏なので当然戦闘曲はかっこよくテンションが上がります。期待を裏切らない出来です。
逆にオープニングは美しい曲でメリハリがあって良いです。
戦闘特化ゲームゆえの欠点
戦闘好きは気にならないだろうが
これはこのゲームでは仕方ないのですが、何かについて戦闘がついて回ってきます。キャラを仲間にするにも戦闘、武器を強くする素材を集めるため戦闘、イベントを進めるためにも戦闘。戦闘をしないとこのゲームを進めることはできません。
ストーリーやダンジョンや町の探索も楽しみたいという人には戦闘回数が多いうえに長いので苦行となる可能性があります。
ぼくはどちらかというと後者の方でサガスカのストーリーはタリア編で詳しくわかるようですが、戦闘に食傷気味となりレオナルド編のみクリアしてプレイをやめました。
あと色違いの敵が少し多いような気がします。まあどう考えても予算が少ないだろうし仕方ないですが。戦闘に特化し町やダンジョンの探索を切ったのもそのあたりが原因じゃないでしょうか。
ストーリーは4人の主人公全てでクリアしないと全容がつかめないらしくストーリーを楽しみたい人は大変だと思います。
サガスカ緋色の野望の感想まとめ
見た目がスマホのゲームみたいだったので正直期待せずにプレイしたけど、ふたを開けてみると面白いという嬉しい誤算。さすがは河津神だと思います。
よく練られた戦闘システムは長時間やっても飽きにくく連撃システムのおかげで妙な中毒性があります。
キャラも魅力がありフリーシナリオもイベントが豊富なので長く楽しめます。
音楽もイトケン節が久しぶりに味わえ満足できました。
しかし、あまりに戦闘に特化したため戦闘が好きではない人は合わないかもしれません。
結構世間の評価もいいようなので次回作に期待したいですね。
次はロマサガのような冒険心をくすぐるようなゲームがプレイしたいです。河津さんお願いします。
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