1998年スクウェアから発売された名作RPG「ゼノギアス」。
発売当時、圧倒的な世界観と複雑な物語に魅了されドはまりした僕のような人も結構多いんじゃないでしょうか?
そんな人はゼノギアスの原作者、高橋哲哉氏がディレクターをつとめるロボットとファンタジー世界が融合したゼノギアス的なRPG、「ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション」がおすすめです。
ただ、ゼノギアスとゼノブレイドは別々の会社が制作したためゼノギアスが好きだった人はゼノブレイド ディフィニティブ・エディションを楽しめるのかどうか疑問に思うかもしれませんが、もちろん楽しめます。
ただシステム的には大きく異なっているのでその点が合わない人にはちょっと厳しいと言える部分も。そのあたりのことも詳しく書いていくので買うかどうか迷っている場合などよければ参考どうぞ。
※Wii版をクリア済み、ネタバレはなしです。
タイトル | ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション |
発売日 | 2020年5月29日 |
ジャンル | RPG |
メーカー | 任天堂(開発モノリスソフト) |
ディレクター | 高橋哲哉 |
クリアまでのプレイ時間 | クリアするだけなら50時間ほど やりこむと100時間以上 |
補足 | ○Wiiで発売されたゼノブレイドのリマスター版 ○キャラデザ変更、ストーリー等追加要素あり |
ゼノギアス発売からスイッチリマスター版のゼノブレイド発売までの簡単な経緯
なぜスクウェアからゼノギアスの続編が発売されず、任天堂でゼノギアスの世界観に似たゼノブレイドが発売されたのか疑問に思う人もいるかと思います。
ですので、簡単にディフィニティブ・エディションが出るまでの経緯をまとめました。
1998年、ゼノギアスがスクウェアより発売。熱狂的なファンも獲得し90万本ほど売れる。
→ディレクターをつとめた高橋哲哉氏は続編の制作をスクウェアに求めるが制作の許可が出ずゼノギアス続編は出せなくなる。
→1999年、高橋氏がスクウェアを退社。同年にバンダイナムコゲームスの出資で子会社モノリスソフトを設立。
→2002年にゼノギアスに近い世界観を持つSF的なRPGゼノサーガを発売。以降Ⅲまでシリーズ化。
→2007年にバンダイナムコゲームスが任天堂に保有株式を80%譲渡しモノリスソフトが任天堂の子会社に。
→2010年ゼノブレイド発売。起伏に富んだ広大なマップとMMORPG的なコマンド式の戦闘、ハイクオリティなストーリー、音楽で高評価をうける。
→2020年追加要素を多数いれたリマスター版、ゼノブレイド ディフィニティブ・エディションがニンテンドースイッチで発売。
※ウィキペディア調べ
と、おおまかに書くとこんな感じです。
ゼノギアス好きはゼノブレイド ディフィニティブ・エディションを楽しめるのかストーリー、システムなど項目別に紹介
世界観、ストーリー
ゼノブレイドの世界観、ストーリーはというと、
巨神と機神。
かつて、互いの存亡をかけて戦った二柱の神。
壮絶な戦いの果に、神は骸となり、
やがて生命を支える大地となった
ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション公式サイトより
と言う感じ。
ゼノギアス的なかなり壮大な世界観の設定で、神様の骸が冒険の舞台と独特です。
スクウェアと任天堂と会社が違うのでゼノギアスとゼノブレイドに世界観の直接的なつながりは無く雰囲気はゼノギアスとつながるところがあります。
ディレクターの高橋氏も歳を重ねることで考え方や価値観も色々変化しておられるとはいえやっぱり根底に流れる高橋イズムは健在です。
ストーリーをもう少し詳細に書くと、
神々の戦いからときは経ち、巨神界で暮らす人々、ホムス族は機神界より侵攻してくる機械生命体の機神兵によって存亡の危機にひんしていた。
人々はかつて機神を倒したとされる神剣モナドによりかろうじて耐え、生きながらえる。
それから1年、
ホムス族の暮らすコロニー9に突如、機神兵が襲ってきた。コロニー9に住む少年シュルクはこれに立ち向かう。物語は幕をあげた。
かなり要約するとこんな感じです。
ゼノギアスと同じく主人公の暮らす村に敵が攻めてくることによって物語は動き出します。
安定した物語の始まりといったところ。ゼノギアス好きもすんなり入っていける導入です。
その後の展開も意外性あり、熱いドラマあり、SF要素ありとゼノギアスよりも少年漫画的な部分もあり楽しめます。
哲学的なゼノギアスが好きだったという人は少年漫画のノリが肌に合わないという可能性もあるのでPVなどでノリを確認したほうがいいでしょう。
キャラ
キャラはちょっと大人びた感じのゼノギアスよりゼノブレイドは任天堂の作品らしく少年向きな感じに。
主人公のシュルクも癖のない18歳の少年(青年)ですし、ヒロインのフィオルンもゼノギアスのエリィとは違いどちらかといえば活発で素直なタイプ。嫌味のないキャラが多いので好印象です。
でも意外と平均年齢はゼノブレイドのほうが上のよう。
渋めのキャラもちゃんといてダンバンという神剣モナドを振るっている英雄も出てくるのでツボは押さえてあります。僕もお気に入りのキャラです。
音楽
ゼノギアスの音楽を担当した光田康典氏はゼノブレイドでは曲の一部のみの提供。曲のクオリティはとても高くユーザーからの評判もいいです。
個人的にお気に入りの曲は「敵との対峙」でこの曲を聞くと無条件でテンションが上がります。
音楽に関してもゼノギアスの好きなひとにも受け入れてもらる曲になっています。
聞いてもらうほうが早いので参考までに。
システム
ハッキリ言っちゃうとゼノギアス好きの人が難ありと感じてしまう可能性があるのがこのシステム面。
ゼノギアスはシステム関連は人とギアの戦闘が別になっているなどなかなか独自路線が良くても洗練されていないことも確か。
ゼノブレイドのほうがシステム的に精度が高い気もします。
どのみちシステムの出来の良し悪しに関わらず、ゼノギアスとゼノブレイドではマップや戦闘などシステム関連が違いすぎるので昔ながらのRPGに慣れて最近のRPG(と言ってもゼノブレイドは2010年発売)から遠かった人は戸惑ってしまう可能性もあります。
次より個別に解説を。
マップ
まずゼノブレイドはオープンワールド風。ふうであってオープンワールドではなくかなり広大なマップを探索することになります。
ゼノギアスは昔ながらの街やダンジョンがシンボル式のワールドマップ方式なので広大なオープンワールド風のマップを移動するのは面倒と感じる人もいるでしょう。
僕も後半になってくると飽きてきて少し面倒に感じた部分もありました。
ファストトラベルもできるし移動速度も上げることができるのでだいぶん楽とはいえそれにも増して世界はかなり広いです。
戦闘
戦闘システムはコマンド式の発展形でMMORPG的と言われています。キャラを自由に動かせるのでぱっと見アクションぽいですが完全なコマンド式です。
ゼノギアスも格闘ゲームのコマンド入力みたいなものを使うちょっと変わったものでもそれなりにオーソドックスなものでした。
それに比べゼノブレイドの戦闘システムはかなり複雑になっていてゼノギアス以降あまりゲームをしていない人にとっては難しいと思います。
覚えることも多いのでストーリーやキャラが好きでRPGをしている人には面倒に感じる人もいるかも。
順序よく技を使って敵を弱体化させ大ダメージを与えるなどコツみたいなものがあります。
やり込み要素
ゼノブレイドはとにかくやり込み要素が膨大であまりにも多すぎて疲れてしまう可能性も。
サブクエストやユニークモンスター討伐などやることは豊富にあるので嬉しいけど面倒とも取れます。
面倒ならやらなければいいのですがやらないならやらないで消化不良感も残るので難しいところです。
まとめ
まとめると、ゼノブレイドはゼノギアスのように世界観、ストーリー、キャラ、音楽共にゼノギアスに負けないくらいクオリティは高くゼノギアス的DNAも受け継いでいるので確実にゼノギアスが好きな人も満足できます。
ただ、任天堂のソフトだけあり少年向きのストーリーやキャラだし違和感を感じる人もいるでしょう。
システムも良くできていてオープンワールド風のマップを探索するのは楽しいし戦闘も奥が深く面白いです。しかし少々とっつきにくく面倒に感じる可能性もあります。
気になるのならPVやプレイ動画を見て確認するのがいいです。
ハマれば絶対に面白いのでゼノギアスが好きな人はもちろんRPGが好きな人までおすすめできるゲームです。
※追記 ゼノブレイド ディフィニティブ・エディションを遊んだ人の感想まとめ ネタバレ無し
良い点
- 謎も多くドラマチックな展開のストーリーが面白い。
- アレンジ曲がいい。戦闘曲はアツい。
- フィールドはシームレスで探索は飽きない。
- 戦闘システムが奥深い。
- グラフィックもwii版よりかなりきれいになっている。
- ロード時間が短い。
- アイテム、遊び要素が追加。
悪い点
- クエストが多いのはいいが単調。
- MMORPG的な戦闘システムは新鮮味がない。
- フィールドが広すぎる。
- グラフィックはリマスターされきれいにはなったが今の時代では物足りない。
コメント
丁寧なレビューで、読み応えがありました。ゼノギアス時代のファン視点の評価というのはありそうで少ないので、興味深かったです。
そのうえで感想を言わせて頂きますと、「少年向き」という印象は私自身はあまり受けませんでした(冒頭の回想・世界設定からしてかなり複雑ですし、序盤早々の衝撃的なイベントの生々しさはあまり見たことがないレベル。実際、CEROレーティング:C(15才以上対象)ですし)
ゼノギアスは野心的な意欲作でしたが、終盤急にノベルゲームになるのが残念で(スケジュールの関係なのは間違いありません。今のモノリスソフトメンバーがスクウェアを退社したのもその辺が原因と思われます)、現在の資金・期間・デバッグ環境など、恵まれた状態で開発に専念できるのは彼らにとっても良かったのではないでしょうか。
『ゲームラボ』という忖度なしのレビューで有名な辛口雑誌では、Wii版オリジナルについて「探索し甲斐のあるマップと個性の立ちまくったキャラ達、ゲーマー必見、世界と戦えるJR
PGの現在形」と評しました。
そのオリジナルをより親切にアップデートした本作は、自分としてはドラクエ11・ペルソナ5と並ぶ遊び応えがありました。
3も9月に発売されるようですし、またユウナカ屋主さんならではのレビューを楽しみにしています。
ありがとうございます。励みになります。
ゼノブレイド3を買うかは内容がどんなものかまだ分かっていないので決めていませんが、プレイすればレビューしたいと思います。