出張編集部 漫画持ち込み体験談【高年齢、ページ数少、下手でもOK】持ち込みと投稿を比較

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商業漫画雑誌でプロになる方法のひとつに編集部の編集さんに描いた漫画を読んでもらい担当になってもらうといういわゆる「漫画の持ち込み」。

一度に複数の編集部に持ち込みたい、地方に住んでいるので編集部のある東京まで遠いという人に便利な「出張編集部」に以前行ったことがあるので今回はその体験談を書きます。

「描いた漫画が下手なんだけど大丈夫?」「年齢やページ数が気になる」という場合も心配ご無用。

詳細を書いていくのでよかったら持ち込みの際参考にしてください。

 

あと、漫画 持ち込みと投稿を比較しメリット、デメリットを書いたので合わせてどうぞ。

 

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漫画出張編集部とは?

内容

複数の漫画雑誌の編集部が集まり漫画家志望者の持ち込んだ作品を読んで講評してくれます。簡単にいうと合同持ち込み会のようなもの。

 

出張編集部をしている主なイベント

コミティア

自主出版した漫画などを発表・販売する展示即売会。東京から関西、そのほか地方まで出張編集部もやっています。

京まふ

京都で開催されるマンガ、アニメの大規模イベント「京都国際マンガアニメフェア」の略称。出張編集部もやっています。

comic city

有限会社ケイ・コーポレーション主催の同人誌即売会。出張編集部もやっていて東京、大阪、福岡などの主要都市で開催。

 

下手でも問題なし

持ち込む際やはり気になる自分の漫画のレベル。下手だからといって途中で読むのをやめて終わりにされることはないのでその点は安心です。最後まで読んできちんと講評してもらえます。

だだ優れた点、劣っている点は的確に指摘されあまりうまくない漫画だと結構はっきり駄目と言われるのでそれなりの心構えは必要かもしれません。

僕は一回目、8ページのミステリーとギャグを混ぜたようなショート漫画をヤングジャンプとゲッサン編集部に持ち込みました。

ヤングジャンプの編集者にはミステリーとしてはおかしい、扉絵はまあまあいい、ゲッサンの編集者には話は結構面白い、でも女の子が可愛くないのでダメと講評されました。

 

結構バッサリといかれるわけですが別に向こうは悪意を持っていっているわけではなく普通に講評という仕事をしているだけなので自分の作品をけなされたと怒らないようにしましょう。

評価の悪かった部分は素直に受け止め次の作品から改善していくことがベストです。

逆にほめられた点は自分のストロングポイントだと思ってさらに強化して作品作りを続けていけばいいと思います。

 

注意点としては僕が経験した例のように編集者によっては真逆の評価を下される場合があることです。

端的にいうと、ヤングジャンプでは絵はまあまあそれよりストーリーがダメ、ゲッサンではストーリーはいいが女の子の絵はダメと真逆と言える評価でした。

やはり編集部や編集者によって重きを置くポイントが違うのでそのあたりを考慮して持ち込み先を決めたり、受け取った評価について考えていくのがいいです。

僕の場合は青年誌のヤングジャンプに載せるには子供向きなストーリーだったし、ゲッサンなどを小学館からは、からかい上手の高木さんやだがしかしなど可愛いい女の子を売りにした作品が多い印象なのでなるほどそういう評価かと感じました。

やっぱり雑誌にもそれぞれ特色があるので雑誌のカラーにあった漫画じゃないとよほど飛び抜けた可能性を感じられる作品じゃないと評価されにくいかもしれません。

 

ちなみに、2回目の持ち込みでは夏を意識したミステリー風のショート漫画を持ち込み評価は良くなくとにかくネームにダメ出しされました。話の展開も読みやすく矛盾点があったのも低評価につながったようです。

作者目線だとあいまいなところは読者はこう理解してくれるだろうと自分に都合よく考えがちで実際はそうではなく作者の想定外の捉え方をされる場合があるのである程度理屈で詰めないといけない事に気づいた持ち込みでした。

 

年齢については特に何か言われることはない

持ち込み時30後半と僕のようにかなり年の場合気になるのが漫画界で暗黙の了解のようになっている年齢制限の話。

実際は年齢で持ち込み拒否をされる事はないと思います。80歳の高齢者が持ち込みに来たらさすがに驚かれるでしょうが、それでもきちんと読んでもらえるでしょう。

開催されている出張編集部に年齢制限の決まりがない限り何歳でも持ち込みは可能だと思います。

僕が三十代後半のときももちろん何の問題もなく読んでもらえました。ただ、周りは若い人だらけでかなり浮いた感じになっていたとは思います。

 

作品の評価についてはやっぱり年齢が上がるにつれ完成度が高くないと評価してもらえないと感じました。

1回目持ち込んだショート漫画はゲッサンの編集さんには結構好評でしたが女の子が可愛くないという事を強調して言われ、残念ながら担当にはなってもらえませんでした。

もし僕が若く今は下手でも可能性があると感じてもらえたなら担当になってもらえた可能性はあるわけでこのあたりはやっぱり年齢はネックになるんじゃないかと。

年をとると自分だけで上手くなるしかないんだと切ない感じになった持ち込みでもありました。

 

ページ数

ページ数についても指示がない限りは特に何ページでも問題ないかと思います。

極端な話、4コマ漫画なら面白ければ1ページでも目を付けてもらえるかもしれません。

逆に100ページの大作は長すぎるので持ち込みには向かないと思います。読んで評価するのも大変ですし話をまとめられない、構成力がないと捉えられかねないのでストーリー漫画なら4、50ページの作品がちょうどいいです。ギャグ漫画ならもっと短くてもいいです。

あまり持ち込みに時間をかけすぎても他の持ち込み希望者に迷惑ですしそのあたりは空気を読んだほうがいいかもしれません。

 

漫画の持ち込みと投稿 メリット、デメリット

漫画の持ち込み 事前に出版社の漫画編集部に連絡し予約を入れ、直接自分の描いた漫画を持ち込むこと。編集部の編集さん一人がじかに対応。

漫画の投稿 出版社の漫画編集部がやっている漫画賞に投稿する事。編集部の複数の編集さんがひとつの作品を読むことになるので露出は多め。

※原稿を返却してくれない編集部もあるので作品を返却してほしい場合は募集要項を要確認。

漫画持ち込みのメリット、デメリット

〇メリット

やはり漫画を読むプロである編集さんの反応を直に見れ、作品に対して細部まで具体的に指導してもらえるというのが一番のメリットです。今後の作品の改善に役立ちます。

反応がイマイチで落ち込むことになる可能性もありますが、自分のレベルがどれぐらいにあるのか見極めるのにもいいです。

指導に関しても自分では気づけないことを指摘してもらえることも多く、漫画に関する質問や雑談もできるので聞きたいことを前もって決めておくのがおすすめです。

 

可能性を見いだされた場合は定期的にネームなどを見てアドバイスしてもらい一緒にプロデビューを目指す「担当」になってもらえる可能性があります。

 

✕デメリット

やはりいちばんのデメリットは地方在住の場合交通費がかなりかかる事です。

出版社の漫画編集部は東京に集中しているので自分の住んでいる場所が東京から遠ければ遠い程、交通費はかかります。深夜バスで大阪から東京でも往復約6000円はかかります。新幹線だと片道だけで1万5千円程かかります。

もう一つのデメリットは自分の漫画を読んでくれる編集さんは基本一人だけという事です。

一人だけということは読んでくれた編集さんと自分との感性の相性が悪いとあまり漫画の評価も相対的に良くはならないでしょうし担当になってくれる確率は下がります。客観的なアドバイスはしてもらえても実りの少ないものになってしまいます。

 

漫画投稿のメリット、デメリット

〇メリット

漫画投稿の一番のメリットはやはり郵便送料の500円程度で投稿できるためコストパフォーマンスが良いです。作品さえ量産できれば月例賞に毎月投稿も可能です。

もう一つのメリットは複数の編集さんに漫画を読んでもらえるので単純に編集さんが担当になってくれる確率が上がります。

あとは締め切りがあるのでダラダラと作品を描かずに済むというのもひとつのメリットかもしれません。

 

✕デメリット

漫画投稿のデメリットは送った作品の評価が受け取りにくいことです。なにかそれなりの賞を受賞した場合は本誌で詳しく講評してもらえますがそれはあくまでごく一部の人のみです。

編集部によっては原稿返却時に一言コメントを封入してくれる所も。あくまで一言コメントなので持ち込み時にもらえるアドバイスからすると物足りないものになります。

 

もう一つのデメリットは作品の評価のレスポンスが返ってくるのに時間がかかる事です。

月例賞などの賞の結果が分かるのは早くて1ヶ月、時間がかかると2、3ヶ月かかった場合もあります。一言でもアドバイスがもらえる場合は今後の作品作りにも影響するので反応まで時間がかかるというのは結構痛いです。

 

まとめ

以上、コミティア、京まふ、comic cityなどで各地開催されている出張漫画編集部は年齢、ページ制限も特になく老若男女誰でも自分が描いた漫画を持ち込めるので客観的なプロの生の意見を聞きたい場合はかなりおすすめです。

各地で定期的に開催されているので地方在住の人、複数の編集部に一度に持ち込みたい人にもおすすめです。

編集者のアドバイスをうまく活用すれば間違いなく漫画を描く実力がアップするでしょう。

 

漫画の投稿も並行して行うと編集部への露出もアップしプロになりたい人はデビューへの道も近づくのではないでしょうか。

 

それにしても意外とデジタルで原稿を完成させている人が多いのは驚きでした。僕はアナログで持ち込み少数派。時代の流れを感じました。



ユウナカ屋主

昔のドラクエ、ファイナルファンタジーやスクウェア黄金時代のドット絵、カクカクポリゴンのRPGを遊んで青春時代を過ごしてきたRPG好きのおじさん。 ペンタブ歴も長くちょっとは詳しい。

どちらかといえばお米派でパンはおやつ。スイーツも好き。

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ユウナカ屋

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