PCで絵を描くのに液タブ(液晶タブレット)を買うかどうか長い間悩んでいましたが、ついにワコムアウトレットセールで安くなった液タブ Cintiq16(シンティック16)を購入!
豪華な機能をそぎ落とし価格を抑えたコストパフォーマンスが高い液タブですが、プロ仕様のペン、プロペン2を搭載しているので描き味は言うことなしです。
さらに詳細な感想を書いていくのでよかったら購入検討時の参考にどうぞ。
ワコムストアのアウトレットセールで買ったのでそのあたりの情報も書いていきます。
Cintiq16の開封
今回はワコムストアで購入したので商品と一緒に領収書、保証書シール、サポート案内が付いてきます。領収書と保証書シールは無くさないように注意です。
開封するとまず、不織布の袋に入って保護された本体が入っています。


そしてその下に付属品の3in1ケーブル、ACアダプタ、電源ケーブル、プロペン2、あとは、クイックスタートガイド、レギュレーションシート、保証書が入っています。


本体の不織布の袋は地味にうれしいポイント。持ち運びする時にも使えると思います。
Cintiq16のセッティングと機能
セッティングを簡単に紹介。
まずは3in1ケーブルの中の電源⇔ACアダプタ⇔電源ケーブルという感じで繋げます。

次に、本体裏上部にあるふたを突起に指をかけ上にスライドさせて開けます。(ちょっと力が要る)そして3in1ケーブルの線が1本だけのほうを〇の出っ張りにコードを沿わせながら端子を接続します。ふたを閉じれば完了。

次は3in1ケーブルの中のHDMI端子、USB端子をPCに繋げます。
注意! PCにHDMI端子がない場合自分のPCの端子(DisplayPortやDVI端子など)と合うものに変換するアダプタが別途必要です。
例(HDMI→DVIやHDMI→DisplayPortなど)
電源コードをコンセントに刺すとセッティングは終了です。あとは、ドライバをワコムサイトからダウンロードしインストールすると使えるようになります。
液タブでは珍しく、上からコードが出るという仕様なので横からコードが出るタイプと違ってコードに負担があまりかからないのでいいです。
ただ、企業努力で3in1ケーブルなど邪魔になりにくいようコンパクトにはなっていますが、それでも電源アダプタ、ケーブルと接続するとかさばるのでどうしても取り回しは悪くなってしまいます。

機能面では、本体裏から足を出して本体を斜めにして使うことも可能です。これがちょうどいい感じの角度なので基本足を出して角度をつけて使うのがおすすめだと思います。
もともと本体自体下の方を薄く上の方を厚く作ってあり少しですが普通に置いても画面が斜めになるように作られています。

本体右にはペンホルダーがあって取り外して左右両方どちらにもつけることが可能です。ペンホルダーは替えの芯が3本収納され芯2抜き(写真下穴)にもなっています。

芯の抜き方はペンの芯を穴に突っ込んで少しペンをナナメにして穴に引っ掛ける感じにすると抜けます。
全体的にできるだけ省スペースにしようという姿勢は好印象です。
Cintiq16の設定
インストールされたデスクトップセンターのディスプレイ設定で明るさとコントラストを好みに合わせて簡単に調整できます。僕は明るいと思ったのでどっちも20ほどに下げました。

ワコムタブレットのプロパティではプロペン2や本体を好みに合わせて設定できます。ペン先の感触のスライダを左右するだけで簡単にやわらかい、硬いの設定ができ便利です。

プロペン2は一回Cintiq16本体で使うと登録されます。
全て簡単で初心者でも問題なく設定ができると思います。
Cintiq16を使ってみての感想
描き味
液晶画面に描くので紙に描く時と全く同じという訳にはいきませんが、というかむしろ紙にペンや鉛筆などで絵を描く時とはまた違ったサクサクと描けるような心地よさがあります。わずかな筆圧にも繊細に反応してくれて滑らかに線が描画されていく様は癖になる快感です。

本当に描いていて心地よい。個人的にはこの心地よさのおかげで「描く」というモチベーションを保ちやすいです。
この心地よさを生み出している秘密はどうやらON荷重というどれだけの筆圧をかけると描画されるかという機能のおかげで、Cintiq16などワコム製品はこのON荷重の機能が海外製品と比べて優れているんじゃないでしょうか。あと、傾き感知も海外製と比べると優れているようです。
よく言われる視差ですがディスプレイの厚み分、感覚1ミリほどはありますが、画面もそんなに大きくないので個人的には気になりませんでした。それよりも描き味の心地よさが上回ります。
ただ四隅に行くとポインタとペン先の位置が0.5ミリ程ずれます。隅で絵を描いたり作業はしないと思うのであまり気になりませんでした。 ←いつの間にか合うようになってました。ちゃんと正面から見ていなかったのかもしれません。すみません。
ちなみに座って描くのに疲れたら寝ころびながら描いたりもでき、スケッチブックのように使えるのでなかなか快適です。
追従性能
PCのスペックにもよるので一概に言えないのですが、ストレスなくポインタ(カーソル)がついて来ると思います。
15秒動画。僕的にはかなり速く描きましたが問題なくポインタはついてきました。
さすがにアナログのペンと紙のように100%ペン先のポイントと紙に描かれていく線のポイントがずっと一致し続けるわけではありませんがすぐに慣れると思います。デジタルはデジタルなりのサクサクとした気持ちいい描き心地があります。
傾き検知
対応しているソフト限定(クリップスタジオなどが対応)ですがペンを傾けると線の太さや濃淡が変化する傾き検知機能が使えます。
ソフトの傾き検知の設定をするとアナログの鉛筆のように寝かしながら線を太くしていくことができます。
描き心地も良好で微妙な傾きを繊細に読み取ってくれるためペンの微妙な傾きで線の太さや濃淡を自在にコントロールできます。
水彩ブラシでペンを傾けると濃淡を薄くするなどもできます。
アナログから液タブに移行してきた人にはうれしい機能になるかもしれません。
画質
スペックでは※NTSCカバー率72%と再現できる色の範囲が狭いですが特に気になるところはありませんでした。普通にディスプレイとして使う分にも全く問題ないです。動画など結構きれいな映像で見れました。(※NTSCは全米テレビジョンシステム委員会の略。映像の規格名としても使われる)
sRGBカバー率は96%、デジタルカメラ、モニタなど一般普及しているものはほとんどこのsRGB規格を基準にして作られているようなので描いたものを見せるのがデジタルのみで終結する場合はこのCintiq16だけでも問題ないと思います。
紙に出力したり、色にこだわりのある人は別にもっと再現できる色の範囲が広いモニタを別に用意する必要があるでしょう。
ただ欠点として、画面に少しぎらつき感があります。設定で明るさとコントラストを下げることでだいぶん気にならなくなりますがこれはワコムの液タブ全般に言えることなのでワコム液タブの個性と考えたほうが良さそうです。気になる人は家電量販店などで実物を確認しましょう。
画面サイズ
絵を描くにしても、何をするにしても作業する場合は画面のサイズが大きいに越したことはないですがスペースの問題もあるのであまり大きいと邪魔になります。
Cintiq16は画面サイズは15.6インチと最低限の広さはあり本体自体もそこまで大きくないのでそういう意味でCintiq16の画面サイズはちょうどいいと思います。
まあ、正直言うともう少し画面が大きい方が全体を見渡せるのでいいですけど。
サイズとは関係ないですが、液晶の保護フィルムが自由に変えられないのは痛いですね。
Cintiq16は初めから非光沢のフィルムが貼ってあり自分ではがす事は無理で、交換するにはワコムに送り1万8千円で交換してもらえるようです。面倒な上かなり高価です。
機能面
タッチ機能やファンクションキーなど僕にとって余計な機能がなく省スペース化されている所がいいです。そのおかげで価格が安く抑えられています。
ファンクションキーの代わりにオンスクリーンコントロールという機能があり、プロペン2のボタンなどにショートカットとして登録して画面上に取り消し、やり直し、ワコムタブレットのプロパティなどのショートカットを表示させることができます。

足を出して手軽に傾けて使えるのもいいです。普通に机にべったっと置くと遠近法の関係で出来上がった絵が道路に表示されている文字や記号と同じように縦に延びがちですがこれを使うと正確に画面に描かれたものの大きさが掴めると思います。照明の反射低減にも使えます。
コードが上から出ているのも邪魔になりにくくコードに負担もかからないので良いです。
排熱
上部に排熱口があるだけですがほんのりと熱を感じる程度で全く気にならないです。長時間使っても体感では温度は上がった感じはありません。ファンもないので無音です。

設定面
明るさ、コントラストを細かくに設定できるし、プロペン2の設定も筆圧の調整も繊細にでき、ショートカットも細かく設定できるので良いです。
この辺りはintuos4時代とあまり変化はないですね。
プロペン2
軽くて持ちやすいので良いです。性能も十分。intuos4についていたものと比べると、サイドボタンが小さくなったのはいいのですが引っかかりがなくなり机の上に置いておくとコロコロ転がるので個人的には大きいままでも良かったです。
よくプロペン2は壊れやすいとの意見をネットで見ますが、机などから落とす人が多いんじゃないでしょうか。高い所から落とすと、当然壊れる可能性が高くなるので気を付けた方がいいと思います。
そして、一番プロペン2のいい所はペン先の沈み込みがほとんどない所です。海外製はなぜか沈み込みが深いようで沈み込みのないプロペン2のほうが描き味が自然になると思います。


価格
アウトレットセールで5万6千円で買えたので何の文句もないです。
アマゾンだと6万円中盤、セールの時などは6万円切る場合もあるので安く買えます。
Cintiq16仕様表
メーカー | ワコム |
発売日 | 2019年 1月11日 |
型番 | DTK1660K0D (-OUTLET) |
価格 | 税込み¥56,430 (通常¥74,580) |
表示サイズ | 15.6型 |
最大表示解像度 | フルHD1920×1080 |
液晶方式 | IPS方式 |
応答速度 | 25ms |
色域 | 〇NTSCカバー率72% 〇sRGB カバー率96% |
付属ペン | プロペン2 |
読取方式 | 電磁誘導方式 |
筆圧レベル | 8192レベル |
タッチ入力 | 無し |
消費電力 | 最大27W、スリープモード0.5W |
サイズ | 全体42.2×28.5 ×2.45㎝ 画面サイズ34.3×19.5㎝ ※自己測定 |
重量 | 1.9kg |
対応システム | Windows7以降、Mac OS X 10.12以降 |
映像接続端子 | HDMI |
商品構成 | 〇Cintiq16本体 〇プロペン2 〇ペンホルダー(芯3本、芯抜き付き) 〇3in1ケーブル(1.8m)HDMI USB 電源 〇ACアダプタ(1.5m) 〇電源ケーブル (1.8m) 〇クイックスタートガイド 〇保証書 〇レギュレーションシート |
ワコムアウトレットとは
ワコムアウトレットとはワコム直営のオンラインショップ「ワコムストア」が開くアウトレット商品だけを取り扱ったセール。アウトレット商品なので定価より20%~60%オフとお値打ち価格で商品が買えます。
20万、30万円する高額商品もあるので値引き額が10万円以上ととんでもなく値引きされる場合もあり超お得。
アウトレットといっても未開封の新品。ただし外箱に軽度のキズや色あせ等があると公式サイトで明言されています。
うちに届いたものは普通の新品と見分けがつかないほどのものでした。


おそらく、アウトレットとして出されたのはちょっとした箱の角つぶれが原因だと思います。

この程度なら普通の新品として届いてもわざわざ返品して交換するのが面倒で見逃すレベル。個人的には全く気になりませんでした。
おそらく取り扱い時誤って傷つけてしまったものや、長らく倉庫に眠っていたなどして少し風化したものがものがアウトレットとして出されているのんじゃないでしょうか。
とにかく損傷も少なく、中古品ではないので安心して購入できます。保証も通常版と同じです。
ワコムストアの楽天市場店でもアウトレット品を取り扱っているようでこちらは開催期間などの制限はなく在庫があればいつでも購入できます。
Cintiq16はどんな人が買い?
液タブが欲しい人は、安くて性能も高い海外製、HUION、XP-Penの液タブが対抗馬として挙がってきますが、ワコムの液タブの描き味は格別だし海外製はペンの沈み込みもあるので描き味にこだわるならエントリーモデルながらプロ仕様のプロペン2を搭載したワコムのCintiq16を選んだ方がいいです。
2,3万円は高くなりますが、長く使うことになるので2,3万円の惜しんで妥協して海外製を買うと後悔します。
逆に描き味にこだわらず一定のクオリティを満たすならいいという人はコストパフォーマンスの高い海外製がいいです。
僕はレビュー記事や動画を見まくってCintiq16を購入するのに随分悩みましたが、結局実際買って長期間使ってみないと液タブが自分に合うかどうかも分からないしグダグダ悩んでも時間の無駄、もし合わなかったとしてもその情報が財産になると思いCintiq16を購入しました。
結果、使ってみて紙で描く時とはまた違った心地よさの味わえるCintiq16は個人的には大満足です。
おかげで絵を描く事が楽しくなり練習量も増えるので上達もする好循環に入れたと思います。これが何よりの収穫でした。
Cintiq16
Cintiq22
コメント