独特の世界観とコンセプト、謎解きがウリの「ICO」と「ワンダの巨像」。
これらの作品を作ったスタッフが立ち上げたジェンデザインの初作品、「人喰いの大鷲トリコ」をレビューしたいと思います。ネタバレなしです。
クリア済みでプレイ時間は15時間ほどです。
期待を裏切ることの無いくらいの上田作品でしたが、動物が好きな人にとってはこれ以上ないというくらいの神ゲーでしょう。
詳細は下記レビューをどうぞ。
ジャンル | 謎解きアクションアドベンチャー |
対応機種 | プレイステーション4 |
発売元 | ソニー・インタラクティブエンターテイメント |
開発元 | SCE ジャパンスタジオ、ジェンデザイン |
監督 | 上田文人(ICOなど) |
発売日 | 2016年12月6日 |
クリアまでのプレイ時間 | 15時間から20時間ほど |
特徴 | ・巨大な動物トリコと協力して巨大遺跡から脱出する謎解きアクション。 ・パラメーターやアイテムがない。 ・廉価版のバリューセレクションが出ている。 |
トリコとのコミュニケーションを楽しむゲーム
架空の動物だが本当に存在するかのようなトリコ
人喰いの大鷲トリコというゲームはとにかくトリコという動物の創作に最大限の力を注いだゲームだと思います。
どう猛な鷲のイメージは全くなくどちらかというと野良猫やペットに近いと思います。
トリコは大鷲という設定ですが個人的には猫に見えますね。というか猫犬鷲混合で猫7割、犬2割、鷲1割といったところでしょうか。
グラフィックに関しては羽根1枚1枚描写されていて風で細かくなびくところはとてもリアルでトリコが本当に存在するかのような感覚になります。
しぐさやしっぽの動きもリアルで愛きょうがあります。このしっぽにゲーム中何度も助けられました。意外と重要度が高いです。
初めはあまりこちらの言うことを聞いてくれないトリコですがゲームを進めていくにつれトリコとの仲が深まっていきこちらの言うことも聞いてくれやすくなります。
そしてプレイヤーキャラと離れないよう、トリコの入れないような狭い空間に入ろうと自分の体を無理にくぐらせてついて来ようとするさまは結構くるものがあります。
外出から家に帰ってきたとき玄関先でペットが真っ先に自分にかけつけて来る感覚に近いかもしれません。
ゾウの様な巨大な動物をを飼うというような現実ではできない体験がこの人喰いの大鷲トリコではすることができます。まさにゲームならではの体験です。
謎解きよりもトリコとのコミュニケーションに重点が置かれている
謎解きアドベンチャーをうたっているので当然謎解き要素は豊富。ただICOやワンダと巨像と比べると凝った謎解きは少ないように感じました。進める場所を探すのが難しいという感じです。
個人的には終始、進めなくて困ったことがあるととりあえずトリコに乗っかっとけという感じで、すると勝手にトリコが先に進んでくれるというトリコ先輩お願いします状態でした。
トリコを呼んだり、行く場所を指示してうまく誘導し進んでいくゲームなので複雑な謎解きにはしにくいんでしょうか。
やっぱりトリコとのコミュニケーションを楽しんでほしいという制作者側の考えかもしれません。
いつもの上田作品
トリコ以外のグラフィックもきれいに作られていて光の処理なんかは幻想的な廃墟の遺跡がよく表現できていると思います。建造物もゲームの雰囲気に合ったリアル感で作られていると思います。
ストーリーはICO、ワンダと巨像と構造的には似ていて最初ほとんど語られません。
後半でいろいろな謎が解け少年は何者なのか、なぜ洞窟で気を失っていたのか、遺跡とは何なのか、トリコの詳しいことなど語られていきタイトルの意味なんかも分かるようになっていて考察しがいのあるミステリアスで面白い物語でした。
アクション部分もシンプルでつかむ、ジャンプ、淵などにぶら下がって移動などICO、ワンダと巨像とほとんど同じです。つかむ、ぶら下がって移動なんかはほかのアクションゲームと比べると珍しく希少価値があるかもしれません。
HPなどのパラメーターのたぐいは一切なく、崖から落ちるとゲームオーバー、高い所からおちると少年が足を引きずってしばらく移動速度が遅くなります。
音楽は、重要なシーンで曲が流れるようになっていてこちらもICO、ワンダと巨像と同じです。
トリコとのコミュニケーションが大事なゲームなので曲が流れずコミュニケーションに集中できるのはいいと思います。
曲自体も作品の雰囲気に合ったものでゲームを盛り上げてくれます。
多少癖のある操作性とカメラワーク
世間の評判は良くない操作性だが
世間ではあまり評判の良くない操作性ですが個人的にはそんなに違和感なくプレイできました。
確かにトリコから降りようとしてボタンを押しても降りられていなかったり、トリコの上で立ち上がりたいのだけど、トリコが動くとすぐしゃがんでトリコをつかんでしまうなどストレスになることは多かったです。
ただ、自分の思う通りに操作できないのはほかのゲームでもよくあることですし、ただ単に僕の操作が下手なだけかもしれないです。
少年がトリコに乗って立ってもすぐしゃがんでしまうのはリアリティで考えれば動く動物の上だと簡単に立てないのは当たり前だと思います。
カメラワークはあまり良くないとはいえワンダと巨像に比べるとそこまで気にならずにプレイできました。
カメラが勝手にトリコの方に向く?ことがあってもそれでかえって進むべき道が分かったりと下手なカメラワークのおかげで救われた部分が結構あり何とも妙な感じでした。(笑)
人喰いの大鷲トリコで操作性とカメラワークに違和感を感じなかったのは僕がただ単に上田作品に慣れただけかもしれないです。
トリコは動物なのでプレイヤーの思い通りには動かない
ゲームを進めるにはトリコの協力が不可欠なのですがトリコはあくまで動物なのでこちらの思う通り動いてくれません。
途中、指示を出せるようになり多少は思った通りに動いてくれるようになっても気まぐれな所はあると思います。
こういうストレスを楽しむのもこのゲームの特徴なのですが、人によってはイライラする場合もあると思います。
これはただ人によって合う合わないがあるだけで人喰いの大鷲トリコの欠点ではないと思います。
むしろ動物という事を演出できているんじゃないでしょうか。
人喰いの大鷲の感想まとめ
個人的には人喰いの大鷲トリコでなく人喰いの大猫トリコでしたが、そこまで動物に縁のない管理人でもトリコには愛着が持てまるで実在する動物に感じられたので動物が好きな人にとっては間違いなく宝物になるゲームです。
ただ、トリコの上に乗る、乗った時の少年の操作、降りるなど操作性やカメラワークも良いとは言えず難儀な面も。
バリューセレクションが出ていて4000円強で買えるので難点部分を考慮してもプレイする価値は十分にあると思います。
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