PS4、Switch、Steamでリマスター版が2019年9月20日に発売され、完全オリジナルストーリーのアニメが2019年夏に公開決定と、さらに世界の広がる「二ノ国」。
今回はその原作、PS3で発売された「二ノ国 白き聖灰の女王」をレビューしたいと思います。
よければ参考にどうぞ。
※ネタバレなし。
※プレイ時間は80時間ほどで、クリア済み。
※リマスター版と内容は同じ。
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | プレイステーション3 ニンテンドーDS STEAM |
エディション | イージーモードとすべてのダウンロードコンテンツを追加したバージョンアップ版 |
発売元、開発元 | レベルファイブ |
監督、シナリオ | 日野晃博 |
音楽 | 久石譲 |
発売日 | 2012年7月19日 |
クリアまでのプレイ時間 | 50時間ほど |
特徴 | ・スタジオジブリが制作に協力。 ・主人公と仲間、かわいい幻獣のイマージェンを 操作するアクション要素のある戦闘。 ・デジタル書籍の様な 魔法指南書のマジックマスターが読める。 |
PS3版とリマスター版との違い
スイッチ、PS4のリマスター版はPS3のオールインワンエディションを元にしたものなのでリマスター版はグラフィック強化、4K対応というパワーアップ以外は変更はありません。内容は同じです。
ジブリの好きな人は夢がかなうゲーム
ジブリの絵と音楽で楽しめる
何といってもこのゲームの一番のウリはスタジオジブリの世界観でゲームが遊べるという事。
キャラのグラフィックはジブリのアニメに登場するような人物がトゥーンレンダリングという技術で3Ⅾ化されていて、背景もジブリアニメの緻密で美しい背景が違和感なく3Ⅾ化されています。
緑と水の美しい町や砂漠の国、機械文明の発達した国とジブリの美術力を活かせる設定で美しい世界や廃退的な世界が楽しめます。
音楽もジブリのアニメには欠かせない久石譲氏なのでクオリティは非常に高く音楽の面でもジブリの世界を楽しめます。オーケストラ調で美しく聴きごたえがあり、フィールドの音楽は壮大な冒険に出ている感じが出ていると思います。
こうザ・ジブリゲームというような書き方をしていると「ジブリのアニメファン以外の人は楽しめないのか」と思われるかもしれないですが、そんなことはなし。
キャラの性格も癖がなく主人公のオリバーは素直な性格なのでプレイヤーの考えに反した行動をとることが少なく操作するキャラとしては適していると思います。お母さんを助けるために二ノ国を冒険するという動機もみんなが納得できるものだと思います。
その他のキャラクターも悪役でさえも嫌みがなくどこか親近感が持てる感じで個性的なキャラなどは出てこないですがそこがいいんじゃないかと思います。
結局ジブリ的という事になりますが、万人に受け入れられやすいことは間違いないでしょう。
あと、戦闘で少しアクション要素がありクエストやカジノ、イマージェン集めに育成とやりこみ要素が豊富だし王道のRPGとして楽しめます。
よく批判されているキャラクターの声優に俳優、タレントが起用されていることについては確かに棒読みな演技が多いものの後年のジブリのアニメは俳優が声を演じることがほとんどなのでそこまで違和感がなかったです。ジャイロの大泉洋氏などははまり役じゃないでしょうか。
別冊!マジックマスター
ゲーム内で読めるマジックマスターですが、デジタル書籍が一冊おまけでついてきたような勢いで(DS版では実際に本がついてくる)作りこみがすごいです。
いろんな魔法の使い方やイマージェンの情報、世界設定などが網羅されていてさらにページが抜けているところがあるのでページを集めていく楽しみがあります。あとゲーム中謎解きで使うこともあり活躍する機会が多いです。
コマンド+アクションの戦闘
戦闘はシンボルエンカウント(マップに敵が表示される)でアクションとコマンドバトルを混ぜたようなシステム。
簡単に説明すると、
フィールドを移動し戦うなどのコマンドを使い敵をこうげきする
→時間が経つと再びコマンドが選べ状況に応じてコマンドを選択する
→敵は弱点を突くと緑や青の玉「ソウル」を落とし、緑はHP、青はMPが回復する。
という感じで、イマージェンはその時の状況によって使い分けていくと戦闘がスムーズに進めていけると思います。
キャラやイマージェンのかわいい見た目とは裏腹に結構難易度が高いのでやりごたえがあります。難しいと感じた人はイージーモードでプレイするのが良いでしょう。
専門家でないゆえの弱点?
ストーリーの大筋は悪くないのだが
ストーリー自体は昔のアニメ名作劇場のような感じで(例えが古すぎてわからないかもしれないが・・)老若男女楽しめるものになっているのですが、肉付けが弱いのか演出が甘いのか何か唐突に話が進む感じがしました。キャラの心理描写も足りないように思います。
日野氏が脚本をメインに書いているようでアニメガンダムAGEの脚本を担当もされた時も親子3世代にわたる物語とアイデアは良いのですがやはり肉付けが甘いのかどうにも唐突に物語が展開するような気がしてあまり楽しめませんでした。
昔の様なドット絵のRPGだとそんなに違和感がないけどある程度グラフィックの表現の幅が広くなるとそう感じるのかもしれないです。
日野氏はもっとほかの脚本家の力を借りて脚本を書けばいいのにと大きなお世話ながらに思ってしまいます。
ゲームの曲としては・・
音楽は久石譲氏なのでクオリティは高く良曲ぞろいです。
しかし、いかんせん曲の主張が強いことが少し気になります。
ゲームの曲の場合はプレイヤーがゲームに集中するため曲は印象に残りながらもプレイの邪魔にならないようにしないといけないため、音楽単独でも聞きごたえのある主張の強い曲は場合によっては邪魔となります。
一応ゲームの曲の作曲経験のある久石氏ですが経験が少ないと思うのでそんなに意識せず作曲されたのかもしれません。まあこの音楽が久石氏の持ち味であり、人によっては気にならないでしょうけど。
あと戦闘のAIですがあまり賢いとは言えないです。終盤など敵が強くなってくると仲間は全滅して自分一人で戦う場面が結構ありました。
城の内部の作りがただっ広い部屋に玉座だけとさみしいのも気になりました。町の作り、家のなかや草木などの風景がよく作りこまれているだけに余計に目立つと思います。
二ノ国白き聖灰の女王オールインワン・エディションの感想まとめ
ジブリの世界を再現している唯一無二のゲームなのでジブリのファンなら迷わずプレイしたいゲームです。
ストーリーに唐突な所がありますがこの世界の美しさの前ではささいな事です。
PS4で続編、二ノ国Ⅱレヴァナントキングダムが出ているので興味のある人は両方プレイするのもいいかもしれないですね。
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