日本でRPG(ロールプレイングゲーム、主人公を操作して世界を冒険するゲーム)を広めるきっかけとなったドラゴンクエスト、通称「ドラクエ」。
「今さらドラクエ1かよ」と思われるかもしれませんが、海外でも評価されているJRPG(日本独特のRPG)の原点でもあるのでもう一度原点に立ち戻るべく、感想を書いていきます。
ファミコン版、PS4リメイク版をプレイしクリアしました。
よければご一読していただけたらと思います。
※ネタバレなし。
※プレイ時間は8時間ほどでクリア済み。
※リメイク版はPS4、スイッチ、3DS共に同じ内容
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | 原作:ファミリーコンピュータ リメイク:PS4、スイッチ、3DS |
発売元 | スクウェア・エニックス(原作はエニックス) |
開発元 | チュンソフト(リメイクはビー・トライブ) |
シナリオ | 堀井雄二 |
キャラデザイン | 鳥山明 |
音楽 | すぎやまこういち |
発売日 | 原作:1986年5月27日 PS4リメイク:2017年8月10日 |
クリアまでのプレイ時間 | 6時間~8時間ほど |
特徴 | ・スーパーファミコン、ゲームボ-イでリメイク、 スマホアプリとしても配信。 ・スマホ版をベースにしたものがPS4とニンテンドー3DSで配信(ダウンロード専用) ・ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン& スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・III(Wii)に原作とスーパーファミコンのリメイク版が収録。 ・リメイク版の音楽はアレンジ |
原作のファミコン版ドラクエ、リメイク版ドラクエの主な違い
まずは簡単に原作のファミコン版ドラクエ、リメイク版ドラクエの発売経緯、主な違いを。
発売経緯としては
原作発売→その後スーパーファミコンでリメイク→スーパーファミコンリメイク版がスマホに合わせ最適化→そのスマホ版をPS4、スイッチ、3DSに合わせ最適化
とのこと。
PS4、スイッチ、3DS版は内容はすべて同じものです。
●ファミコン版ドラクエ1とPS4版ドラクエ1の主な違い
- キャラの等身が上がっている
- カニ歩きではない
- モンスターの絵がイラストっぽい
- マップの重要アイテムの位置に目印がある
- 戦闘難易度がやさしめに
- トロフィー対応(PS4のみ)
- パスワードでなくセーブで記録可能
- 便利ボタンでコマンドを選択しなくても話したり、調べたりできる
- 移動スピードアップ
- 音楽はアレンジされている
ファミコン版とPS4リメイク版の比較を含めたドラクエ感想
ファミコン版とリメイク版の比較を交えながら感想を書いていきます。
シンプル・イズ・ベストの物語
竜王を倒し世界を救うという事でストーリーがシンプルで分かりやすいです。現代のRPGはストーリー、システムとも少々複雑になっているので何のために行動しいるのかわからなくなる時があるのですがドラクエに関してはまずそんなことにはならないでしょう。
町で情報を集め、洞窟でアイテムを手に入れるなどのイベントをこなして竜王の城を目指します。イベントの順番をある程度自分の好きな順番でやっていくことができるうえ、クリアに必要ないイベントは飛ばせるので自分自身で冒険している感覚が味わえます。
謎解きの難易度も簡単すぎず、難しすぎずしっかり町で情報集めていれば解けるちょうどいいものになっています。
リメイク版でもこの良さはそのまま残っていて昔のRPGの良さを体感できます。
体験型の主人公
主人公は一切喋らないためプレイヤーの意志に反することが無くまさにロールプレイ(役になりきる)することができます。
キャラクター性に関しては現代のRPGの感覚だと薄味で、印象に残るキャラはボスの竜王ぐらい。
これは欠点ではなくかえって想像力を働かせる必要があるので想像力が鍛えられて特に子供にはいいかもしれません。例えると絵のある漫画というよりも文字だけの小説という感じ。
会話の時、白いウインドウが表示されてメッセージが流れるのはこれは漫画の吹き出しとセリフをイメージして考えられたらしく、少年ジャンプで編集者をしていた堀井氏らしいナイスなアイディアだと思います。
はなす、じゅもん、どうぐ等のコマンドが表示されるマルチウインドウは当時としては画期的なうえ完成度が高くRPGに慣れない子供や初心者に優しい設計で、こういうシステム面でのプレイヤー目線を忘れない姿勢は最新作のドラクエ11まで忘れられることなくずっと続いてるので素晴らしいと思います。
リメイク版でもファミコン版との違いはなく原作の味をそのまま楽しめます。
すぎやまこういち氏の絶頂期の音楽
曲はとても良く現代ゲームの迫力のあるオーケストラ調の音楽に全く引けを取っていません。むしろこのピコピコしたドラクエの音楽のほうが印象に残り聞いていて心地よいです。
すぎやま氏の音楽のメロディがそれだけ優れているという事だと思います。
個人的に好きなのはフィールドの曲の「荒野を行く」でこの曲を聴くと広い世界を冒険している感があり、ワクワクします。
効果音も心地良くこうげきの効果音、じゅもんの効果音、会心の一撃の効果すべて聞いていて気持ちいいです。
リメイク版の方はというと原曲の味を殺すことなくいい感じにアレンジされています。すぎやま氏絶頂期のころの作品なので音楽目当てに買うのもアリかも。
「荒野を行く」はやっぱりいいです。
リメイク版グラフィックは微妙
ファミコン版のグラフィックは当時としては標準的だったと思います。さすがに今だときついかもしれませんが。
リメイク版はパワーアップしているのですけどちょっと微妙だなぁと思いました。
キャラのグラフィックとモンスターの絵が背景のグラフィックとあまり馴染んだ感じがしないです。なんか妙に浮いて見えるような。
背景はドット感があるけどキャラ、モンスターのグラフィックはイラストみたいな感じがします。個人的にドット感が欲しかった。
フォントもやたら綺麗に見え妙に浮いてる感じがします。
スマホに合ったものを無理に大きくした感じがあるし、ブラウン管テレビのようなにじみのないはっきりとしたドット表示になるとちょっと見ずらいようにも感じます。
全体的になんかちぐはぐで統一感のない感じ。高解像度化ゆえの事かPS4の性能の高さがかえってあだとなっているんじゃないかと思いました。
主人公はカニ歩き
主人公はグラフィック上では左右上下の方向転換ができないので上に行くにも下に行くのも常に正面を向いているのでカニ歩きになってしまいます。話しかける方向もコマンドで指定しなくてはいけないので面倒だし違和感があります。
移動速度も現代のプレイヤーの感覚からすると遅いです。
リメイク版ではもちろんキャラがちゃんと左右上下に向くようになっています。移動速度はファミコン版よりは速く快適ですが、現代のRPGからするとあまり速く感じないかもしれません。
ですが、そもそもマップ自体がそんなに広くないのでちょうどいいんじゃないでしょうか。
敵は一体しか出てこない
敵の出現は一体のみで戦闘は必ずタイマン勝負。
RPG未経験の人が入門として遊ぶにはいいのですがRPGを遊んだことがある人には物足りないと思います。コマンドも攻撃、じゅもん、にげる、道具しかないですし、じゅもんの種類も少なく戦闘面はどうしても単調になります。基本レベルを上げることが重要です。
難易度を下げるためか容量的に無理だったのか理由はともあれモンスターは場合によって複数出ないと戦闘の幅が狭くなるのでやっぱり何体かは出てきてほしいです。
仲間もいないので余計にそう感じますね。まぁ仲間がいたらモンスターは必ず一体しか出てこないので毎回リンチすることになり、良心が痛みますが・・。
リメイク版でもこの仕様は同じです。難易度はちょっと簡単になった印象。
ファミコン版のゲームの続きはパスワードで
昔のゲームなのでセーブ機能がなく表示されたパスワードを入力して再開するシステムとなっています。昔のテレビは解像度が低く文字も結構ぼやけていたので移し間違えも多く泣きを見たことがありました。今はスマホの写真で一発。時代の変化を感じます。
リメイク版ではもちろん普通にセーブできます。
あと、洞窟でプレイヤーの周りしか見えないたいまつシステムは雰囲気が出るとはいえ正直面倒でした。
ドラクエ1感想まとめ
最初の国産RPGは光栄マイコンシステム(現コーエー)のドラゴン&プリンセスらしいですが、RPGとしての一つの型を定着させその後いろんな作品が参考にしているので日本のRPGの原点はドラクエと言っていいんじゃないでしょうか。
初期のRPGらしいシンプルなストーリーと体験型の無口主人公、マルチウインドウにメッセージのふきだしと遊びずらかったRPGを子供から大人まで誰でも遊べるものにした功績はとても大きいと思います。
音楽もとても印象に残り何度聞いても飽きません。リメイク版のアレンジ曲も原作の味を損なうことなくいい感じです。
グラフィックはリアルでキャラも表現豊か、システムは複雑というRPGが当たり前の現代。
そんな時代こそドラクエの様なシンプルでプレイヤーの想像力をフル活用するゲームを遊んでみるのもいいんじゃないでしょうか。
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