2019年7月26日、久しぶりにスイッチという据え置きゲーム機での発売となったシリーズ最新作「ファイアーエムブレム風花雪月」。
ファイアーエムブレム伝統のシミュレーションRPGと学園散策コミュニケーションゲームという要素を合体させ、なおかつ3学級の3ルート+αとボリュームも膨大で何とも挑戦的な作品です。
今回はこのファイアーエムブレム風花雪月をプレイしての感想を書きます。
黒鷲学級(赤)を選択してクリア済み、プレイ時間は48時間です。+αもプレイ済み。ネタバレは無しです。
ジャンル | シミュレーションRPG |
対応機種 | ニンテンドースイッチ |
メーカー | 任天堂(開発インテリジェントシステムズ、コーエー協力) |
キャラデザイン | 倉花千夏(うたの☆プリンスさまっ♪シリーズなど) |
発売日 | 2019年7月26日 |
プレイ時間のめやす | 50時間ほど(学園散策や戦闘のスキップ機能を駆使するともっと早くなると思います) |
ダウンロードコンテンツ | あり(有料) |
特徴 | ・戦略シミュレーションに学園育成シミュレーションをプラス ・豊富なキャラ ・フルボイス ・3つの学級から1学級選択 ・マルチエンディング |
JRPGのようなストーリー、世界観
個人的にはファイアーエムブレムシリーズはスーパーファミコンの紋章の謎と聖戦の系譜をプレイしていて、この二作品は中世ファンタジーの世界を舞台とした「戦記物」と感じました。
そして風花雪月はよりファンタジー色の強い「日本によくあるRPGの世界観とストーリー」に戦記物と学園物の物語を足したというような印象を持ちました。
特にセイロス教団の謎に迫ったり闇の勢力との対立という部分に古典的なRPG的要素を感じます。
正直今まで遊んだファイアーエムブレムの様な戦記物という所を期待して風花雪月を買ったのですが、でもこれはこれでよかったです。もともとRPGは大好物ですしストーリー的に謎が解明されていくのは面白かったので。
黒鷲(赤)ルート+αのみのプレイで他2学級は未プレイ。黒鷲ルートはエーデルガルドが頑張ってちゃんと戦記物もしてくれています。
でも学園物の要素、物語もあるので戦記物としては若干ボリュームは少なめで急ぎ足的な所も否めないです。
3ルート全部すれば嫌でもおなか一杯になるでしょう。
それに学園編の後に戦乱編がある二部構成というのはかなりいいです。この辺りが決め手になって風花雪月を買いました。
戦乱編はキャラも年を取り見た目も雰囲気も変わったキャラもいて面白いです。プレイヤーは教師という設定なので大人になったキャラたちを見てなかなか感慨深いものがありました。
全体的に言うといろんな要素が混じって寄せ鍋のような、なかなか独特な味わいでよかったと思います。
魅力的なキャラは女性ユーザーを意識?
キャラは登場人物が多いうえに十二分に個性付けがされていてバックボーンも設定豊富なため感情移入がしやすく魅力的だと思います。誰でも一人はお気に入りのキャラができるでしょう。
僕のお気に入りキャラは徹底的に引き籠りにこだわるベルナデッタで彼女のテンパったような天然キャラには笑わせてもらうと同時に和ませてもらいました。非常にいいキャラしていると思います。
さらにフルボイス仕様というのもキャラの魅力を引き出すのに一役買っていると思います。散策での通常会話でも完全フルボイスとは何とも豪華な仕様です。
キャラのデザインは「うたの☆プリンスさまっ♪シリーズ」という女性向けアニメのキャラをデザインした倉花千夏氏が担当で個人的にそこまで好みではないけどカッコよさは伝わってきます。
衣装も緻密にデザインされていて大人になった時の絵も雰囲気というのがよく表現できていて達者なイラストレーターだと感じました。
この風花雪月、採用したイラストレーターといい、主人公を男女から選べる事といいお茶会イベントなどを取ってもなんか女性ユーザーを意識しているように感じました。
シミュレーションRPGという割とニッチな、男性しかやらないようなジャンルに新規ユーザーを獲得するために任天堂が意識しているんじゃないかと想像してしまいます。キャラゲーに舵を切っているのもそのあたりが原因なのかも。勝手な妄想ですが。
そのうち乙女ゲーみたいなファイアーエムブレムになってしまうかも。それはそれで面白そうです。(笑)
当然、歴代一豪華なグラフィック
グラフィックも豪華でシリーズナンバーワンの豪華さ。戦闘シーンのモーションや会話時の演技も感情豊かでよく動きます。
特に戦闘時のアクションはテンポがいいうえにかっこよくカットしないでも何となく見れてしまうほどのでき。
キャラモデリングもイラストがうまく立体化されていて全く違和感はないです。細かな衣装デザインもぬかりはないです。
戦闘マップは普通な感じでちょっと使い回しの多い感じかもしれません。
注目の学園要素と伝統の戦闘システム
風花雪月のウリでもある学園を散策して生徒や学園の人たちと交流を深め生徒を育成していくシステムは購入前はちょっと面倒かなと思っていましたがやってみると思いの他楽しめました。
キャラに魅力があるし、行動制限があるものの、自由にコミュニケーションが取れて好きな方向性で育成できるのがいいです。
狙ったクラスにクラスチェンジさせようと思ったらある程度計画的に育成しないといけないので難しい部分はあるけどクラスチェンジさせたときの喜びは大きいです。
キャラとの絆を深めるお茶会イベントや食事なんかは恋愛アドベンチャーゲームみたいでファイアーエムブレムも変わったなぁと時代の変化を感じます。でもこれは古参ユーザーなんかは結構拒絶反応を起こしそうな感じはします。
戦闘システムは歴代のファイアーエムブレムと基本的には大きな違いはありません。
武器の耐久性を多く使って使用する戦技やキャラの能力補正や計略が使える傭兵団の雇用とパワーアップはしています。
でも戦術的に楽しくなったかというと個人的には微妙かなと。魔法使いが回復、攻撃の魔法を両方使えるのもあってちょっと戦略シミュレーションとしては淡泊になった印象です。
やれることが多くなったことによってかえって単調になった感はあります。限られた手段の中でいろいろ考えて戦う方が将棋のようにシンプルだが奥深いという方が良かった気も。
倒す手段が多少複雑になった魔獣も結構面倒なだけであまり戦術に深みが出たとは思えませんでした。
難易度的にはノーマル、カジュアルでのプレイではラストステージ以外あまり苦戦することはありませんでした。
でもキャラは結構やられて巻き戻し機能が活躍しました。キャラロストするクラッシクモードでプレイしていたらもっと苦労していたと思います。
初回プレイはカジュアル、ノーマルで遊ぶのがおすすめです。
戦闘面での情報表示は随分丁寧になっていて例えばキャラの移動移動した場所の確定前にどの敵から攻撃を受けるか表示されるのは便利でした。戦術的な面白さに多少欠ける気もしないではないですが。
気になったのは戦闘開始前と後のロード時間が長めなところ。周回プレイすると余計そう感じると思います。
世界観に合った壮大な感じのする音楽
音楽は壮大な感じのする曲が多くファイアーエムブレムの世界観にあっていると思います。
従来シリーズのクラッシク調だったのに対し若干ロック感が増している印象。現代風になったのかなと。
かつて仲の良かった人たちと戦うという意味ではマッチングしていていいと思います。
声優に関しても違和感は全くなくキャラのイメージにあっていていいと思いました。
まとめ
ストーリー、世界観もしっかり練られていて面白く、キャラクターもバックボーンがしっかりしているうえ大勢登場するので心配要素だった学園散策、コミュニケーション要素が思ったより楽しめたのは幸いでした。
学級によって個性豊かですしまた違う楽しみも見い出だせそうです。
グラフィックもシリーズナンバーワンの豪華さですし育成、戦闘面のデキも安定。ただ、要素が増えたことで若干大味な感じも。
巻き戻しの救済システムもあるしルナティックという激ムズモードもあるので初心者から上級者まで幅広く遊べるゲームになっていると思います。
唯一の弱点としてはちょっとロード時間が長めで周回プレイをすると余計にきつく感じると思います。
欠点はロード時間くらいなもので全体的にまとまったよくできたゲームなので日本のRPG的な世界観、物語、キャラに飢えている人は間違いなく買いだと思います。
もっと日本のメーカーがこういう日本的なRPGを出してくれるとありがたいんですけどねぇ。時代的に厳しいのかな‥。
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