初代プレイステーションで出た新機軸のサガシリーズ「サガフロンティア」と「サガフロンティア2」、さらにPS2で出た「アンリミテッドサガ」の感想を書きます。
サガフロはロマサガシリーズのファンタジー路線から一変、ゲームボーイ時代のサガのようなごちゃまぜの世界観で原点回帰したかのような雰囲気ですが、サガフロ2ではまた純ファンタジーの世界観に戻るという忙しげなシリーズとなっています。
アンリミテッドサガはより一層クセのあるゲームとなり別売りの説明書(最速攻略本)がないとシステムを理解するのも難しいゲームでした。
一挙に3作品の感想を書くので良かったらご一読していただければと思います。ネタバレは無しです。
サガフロンティア、サガフロンティア2、アンリミテッドサガの主な特徴
サガフロンティアとサガフロンティア2の主な特徴は、
サガフロ
- 1997年7月11日PSでスクウェアより発売
- 近未来、魔法都市などごちゃまぜの世界観
- ヒーロー、ロボ、モンスターなど多彩なキャラ7人の中から主人公を選択できる
- フリーシナリオシステム搭載
- 連携システム初登場
- 術に資質の概念がある
- サガシリーズでは比較的戦闘難易度は低め
サガフロ2
- 1999年4月1日初代PSでスクウェアより発売
- 中世ヨーロッパ風ファンタジーの世界観
- 水彩画調のグラフィック
- 戦記物で追放された王子「ギュスターヴ編」と遺跡探索者「ウィル編」2つの物語
- フリーシナリオではなく一つの歴史をたどっていくような構成(ヒストリーチョイスシステム)
- 1対1のバトル(デュエル)
- キャラが年を取っていく(能力も変化)
- シミュレーションRPGのバトルあり
- 作曲は伊藤賢治氏から浜渦正志氏に
というところ。
同じフロンティアシリーズながら世界観は全く違うし戦闘システムも結構異なります。サガらしいクセの強さはどちらも同じ。
アンリミテッドサガの特徴はというと、
- 2002年12月19日PS2でスクウェアより発売
- 7人のキャラの中から主人公を選べる
- ゲームシステムをシリーズ作から一新
- すごろくのようにマップ移動
- リール(スロット)によって行動を決定
- HPが0になっても死なずLPが0になると死ぬ
- 戦闘での行動は5回でき、配分は自由
- 育成はシナリオ終了後のスキルパネルの付け替え
- 2D調のグラフィック
というところ。
システムを一変したうえかなり難解なのでファンからは不評。時間が経ち理解されていくにつれ評価が高くなっていった何とも玄人向きなゲームです。
サガフロンティア感想
まず今までのサガからすると戦闘難易度がそれほど高くないというが第一印象。それでも他のゲームと比較すると十分に難しいですが雑魚敵であまり全滅する機会はなかったと思います。
ただ、ボス級の敵は強いしラスボスもシリーズ同様の手強さでやりごたえは十分に感じられました。
新システムの技の連携はビジュアル的にもダメージ量的にも爽快です。
育成面に関しても仲間になるキャラも多いし、種族も豊富なので自分好みのパーティが組めます。それに種族ごとに特徴がありモンスター種族なら別モンスターに変身できたりロボならパーツを装備することで簡単に強化できたりとゲームボーイのサガのような所があり多様で育成の楽しみがあります。
ストーリーは短い感じがしましたが8人の主人公全員プレイすると思うとちょうどよい長さだと思います。キャラの個性もはっきりしていて良いです。
ごちゃまぜの世界観もあってヒーロー物、半妖の物語、特定イベントが少なく自由度の高い主人公といろいろなバリエーションがあるので8回分でも飽きずに物語が楽しめました。
曲は従来サガシリーズ同様に伊藤賢治氏作曲でサガらしいテンションの上がるバトル曲で印象に残ります。しかしPSという事でハードが進化したせいかガチャガチャとした感じもありスーパーファミコン時代のシンプルな感じの方が好みかなという気はしました。
PSでのプレイだったのでロード時間の長さでテンポが悪い所は感じられましたが、特に大きな不満点はなく練られた戦闘システムや手広い世界観といいサガ入門にちょうど良いゲームだと思います。
サガフロンティア2感想
個人的にサガシリーズの中でストーリーとキャラが一番印象に残っているのはこのサガフロンティア2。フリーシナリオではなく一つの歴史をたどっていくヒストリ―チョイスというシステムで話を進めていきます。
元々戦記物の話は好きなのでそれだけでも点数は上がりますが、術が使えるのが当たり前の世界、術不能者の一国の王子の物語という設定だけでも胸アツです。
さらにただのエンターテイメントな物語というわけではなく人間の悲哀というか人生の深い所まで描けているので中々に考えさせられるものがありました。
主人公の王子ギュスターヴの母親のあるセリフには胸に刺さるものがあります。
変わってもう一人の主人公ウィルの物語は純粋な冒険ものに近く大きく時間経過もするので壮大なスケールでこちらの物語も楽しめました。
二系統に分かれた物語でも分かれたからと言って薄味になるわけでなくどちらも濃厚なのでシナリオを書いたサガ生みの親、河津秋敏氏の脚本力に凄みを感じます。
戦闘システムはサガフロのシステムに1対1のバトル「デュエル」を足した感じ。
敵の強さは結構上がっていて戦闘には苦労しました。特にラスボスは強くキャラ育成もうまくいっていなかったこともあり少し前にセーブしておいたデータからやり直しもう一度パーティを鍛え直して何とかラスボスを撃破できました。
苦労したとはいえ曲の良さやボスの強さも相まって熱いバトルが楽しめたので結果的には良い思い出になったと思います。
新システムのデュエルの関してはあまり仕様が分からず効率的に使えなかったと思います。それでも一応クリアはできたので特別重要というわけではないのかもしれません。
あと、シミュレーションRPGのような戦闘もありこれがまたかなりの高難易度。これで詰んでしまった人も多い気がします。
グラフィックは水彩画調、曲は新たに浜渦正志氏の作曲でクラシック調と中世ヨーロッパ風のファンタジー世界と戦記物の物語に良く合っていて違和感なくサガフロ2の世界を味わえました。
サガシリーズの作曲をしてきた伊藤賢治氏の曲ももちろんいいのですが、サガフロ2の世界観には浜渦正志氏のクラシック調の曲が合うと思うので作曲家を変えたのは英断だと思います。
アンリミテッドサガ感想
とにかく難しすぎて面倒という記憶しかないアンサガ。
まずマップ上をすごろくみたいに移動するというのは拘束感が強くストレスにしかなりませんでした。ボードゲームが好きな人ならいいかもしれませんが個人的にボードゲームはアナログの手触りが好きでアナログでプレイしてこそ楽しいと思うのでゲーム画面上に表示されたものでは満足感は得られなかったです。
行動をするたびにリールというスロットを回さないといけない場面も多く目押しの苦手な管理人には苦痛でした。必殺技的なものでたまに回すというぐらいなら良くても常にというのはストレスにしかなりませんでした。
宝箱も開けるのには技能が必要とリアリティがあり雰囲気は出てもゲームとしては面倒に感じます。テーブルトークRPGを元に全体がゲームデザインされているようでテレビゲームとしてやると結構微妙な感じです。
戦闘はいつも通り難しく敵が強いうえに目押しが必要なので面倒でした。普通RPGでは戦闘が面倒になりがちでもサガでは飽きることなく楽しめていたのでアンサガで面倒に感じられたのは残念。
ネガティブな面を書いてきましたが、もちろん良い所もありキャラはいつも通り個性的で魅力的だし世界観も冒険心をくすぐる美しく壮大な感じ、曲も美しく2Dのきれいなグラフィックとマッチしていて良いです。
しかし、いかんせんシステムが取っ付きにくすぎでした。おそらくシステムを理解できるプレイヤーには最高のゲームだと思います。管理人のような緩めのプレイヤーには難解ゲーでしかありませんでした。
まとめ
PSにハードを移しサガシリーズの新しい展開としてリリースされたサガフロンティアとサガフロンティア2は相反した特徴を持ちどちらもクオリティは高く多様に楽しめました。
サガフロンティアはゲームボーイで出たサガのようなごちゃまぜ世界観に原点回帰しながらも7人の主人公などこれまでのシリーズの長所を取り入れ進化を感じさせてくれたし、「連携」という後にシリーズの定番となる要素を開発してくれたのもファンとしてはありがたいです。
サガフロンティア2はシリーズ屈指の良くできた心に来るストーリーでさらに中世ヨーロッパ風の戦記物、遺跡を探索する冒険ものと2系統の物語を味わえるのでより深みが感じられました。
戦闘の難しさはサガフロより上がり苦労しましたが戦記物にはこれくらいの難しさが似合うんじゃないでしょうか。
アンリミテッドサガは難しすぎて僕にはハードルが高すぎでした。
コメント
確かに取っ付きにくさはサガシリーズNO.1ですね。
ダマスカス製のアイテムの改造や技道場が分かっていると一気にヌルゲー化するのですが…