前作ドラゴンクエストからパワーアップし、個人的にはドラクエシリーズで一番難しかったシリーズ第二弾、ドラゴンクエスト2をレビューしたいと思います。
ファミコン版とPS4のリメイク版両方プレイしてクリアしたので比較なども含めた感想です。
PS4版リメイクはスイッチ版、3DS版共に同じ内容なのでスイッチ版、3DS版の購入を検討している方の参考にもなると思います。
※ネタバレなし。
※20時間弱ほどでクリア済み。
※リメイク版はPS4、スイッチ、3DS共に同じ内容
ジャンル | ロールプレイングゲーム |
対応機種 | 原作:ファミリーコンピュータ リメイク:PS4、スイッチ、3DS |
発売元 | エニックス (リメイクはスクウェア・エニックス) |
開発元 | チュンソフト(リメイクはビー・トライブ) |
シナリオ、ディレクター | 堀井雄二 |
キャラデザイン | 鳥山明 |
音楽 | すぎやまこういち |
発売日 | 原作:1987年1月36日 PS4リメイク:2017年8月10日 |
クリアまでのプレイ時間 | 20時間弱ほど |
特徴 | ・スーパーファミコン、ゲームボーイでリメイク、スマホ版が配信。 ・スマホ版を移植したPS4、ニンテンドー3DS版が配信。 ・ドラゴンクエスト25周年記念 ファミコン&スーパーファミコン ドラゴンクエストI・II・IIIに原作とスーパーファミコンのリメイク版が収録(Wii) ・リメイク版音楽はアレンジ |
原作のファミコン版ドラクエ2、リメイク版ドラクエ2の主な違い
まずは簡単に原作のファミコン版ドラクエ2、リメイク版ドラクエ2の発売経緯、主な違いを。
発売経緯としてはドラクエ1と同じく、
原作発売→その後スーパーファミコンでリメイク→スーパーファミコンリメイク版がスマホに合わせ最適化→そのスマホ版をPS4、スイッチ、3DSに合わせ最適化
とのこと。
PS4、スイッチ、3DS版は内容はすべて同じものです。
●ファミコン版ドラクエ2とPS4版ドラクエ2の主な違い
- キャラの等身が上がっている
- モンスターの絵がイラストっぽい
- マップの重要アイテムの位置に目印がある
- 戦闘難易度がやさしめに
- トロフィー対応(PS4のみ)
- パスワードでなくセーブで記録可能
- 一部じゅもんの消費MPが少なくなっている 例:ルーラは消費MP1で使える
- 便利ボタンでコマンドを選択しなくても話したり、調べたりできる
- 移動スピードアップ
- 音楽はアレンジされている
順当に進化したドラクエ2
一人旅からパーティ制へ
ドラクエ2は三人のパーティを組んでゲームを進めていきますがゲームを始めてもキャラはローレシアの王子一人しかいません。
あとの仲間、サマルトリアの王子とムーンブルクの王女は探し出して仲間にする必要があります。
その分ストーリーのボリュームが増し、さらにドラクエの舞台アレフガルドが一地方という設定になりマップが広がったためストーリーと謎解きのボリュームが大きく増しました。
ストーリーは前作と同じで基本一本道とはいえ自由度があり、結構な部分のイベント、謎解きを好きな順番、タイミングで進めることができます。
謎解きは前作ドラクエと比べる難度が上がり、町でしっかり情報を集め整理しないといけないのでやりごたえがあります。当時メモ帳などを活用していた人は多いと思います。
福引所という店が新たに追加され、道具屋で買い物をするとおまけで福引券がもらえることがあり、その福引券を使い絵柄をそろえるスロットで遊ぶことができます。絵柄をそろえるとそろえた絵柄に応じてアイテムがもらえます。
リメイク版では重要アイテムの位置が表示されるようになったので難易度はかなり下がったように感じます。正直物足りないんじゃ・・という気はします。
キャラクター性がドラクエより向上
ドラクエはプレイヤー体験型のゲームなのでドラクエ2の主人公も無口で、プレイヤーの意思に沿わないことは話しません。
ストーリーとマップのボリュームも増えたのでサブキャラも増えました。さらにキャラクター性も増しています。
ただ、ドット絵のグラフィックという事もありやはり想像力で補完していくことが必要です。
前作ドラクエはグラフィック上ではカニ歩きで方向転換ができませんでしたが、ドラクエ2では左右上下の方向に向くことができるようになりました。人にはなしかけるときマルチウインドウで上下左右のコマンドを指定する必要がなくなり直感的にプレイできます。ようやく自然に歩けるようになりました。
そのほかのマルチウインドウのコマンドも整理され(かいだんのコマンドがなくなり階段上で直接移動できるなど)よりプレイしやすくなりました。
リメイク版は今では当たり前の「便利ボタン」なのでコマンド式ではなく〇ボタン一つで話したり、調べたりできます。
音楽もやっぱり最高
絶頂期のすぎやまこういち氏の作曲だけに音楽はやはりいいです。メロディがとても印象に残るというか、確実にドラクエよりパワーアップしていると思います。
テンポのいい明るい曲から洞窟の暗く陰湿な感じの出ている曲、そうごんな感じの曲と場面場面の雰囲気がすごくよく出ています。
おそらくこのBGMが変わるとドラクエ2の魅力もだいぶん減ってしまうんじゃないでしょうか。それぐらいこのゲームに占める音楽の存在価値というのは大きいです。
リメイク版はアレンジ曲でいい感じでアレンジされ原作の持ち味を壊すことはないです。原作経験者でも違和感なく遊べるんじゃないでしょうか。
グラフィックは綺麗とはいえ何か納得できないいまいちな感じ。
モンスターの絵はイラストっぽくみえ、マップは逆にドットがきつすぎる気がします。あまりバランスがいい感じはせず原作のほうが味があって好きです。フォントも妙に綺麗で浮いて見えますし。
リメイクとしては残念な感じです。
戦闘はパーティ制かつ敵も複数出るように
戦闘はパーティ制で敵も複数出現し、さらに呪文の種類も増え新たに補助呪文も追加されたので大きく戦略性が増しました。
ターン制でこうげき、じゅもんなどのコマンドを入力し敵味方含め、素早さの高さとランダム要素を加えて順に攻撃していきます。
味方の人数が増えても敵も増えたので戦闘難度も上がりかなりやりごたえがあります。序盤のローレシアの王子一人旅のときは複数の敵にリンチされ全滅することも多く当時、子供ながらにいじめの残酷さを意外な所で学んだと思います。
昔のゲームらしい難易度
ドラクエシリーズ最難度か?
昔のゲームは容量が少ないため、難しめの難易度に設定して体感的なボリュームを増やすという方法をとっているのですが、このドラクエ2はそれを差し引いても難しいかもしれません。特に現代のRPGに慣れていると難しすぎると感じるかもしれません。おそらくこのドラクエ2が謎解き、戦闘ともにシリーズで一番難しいんじゃないでしょうか。忍耐強くやればクリアできるとは思います。
勝つためにはある程度運が必要になるボスもいてなおさら難しいと感じます。
僕は子供のころプレイしてクリアできず、だいぶん大人になってから攻略サイトを参考にしてクリアしました。それでもそこそこ難しかったです。
でもそれがドラクエ2の特徴であり面白さでもあるかもしれません。
リメイク版のほうはというと、個人的な感覚では敵がちょっと弱くなったように感じました。原作では死にまくっていたサマルトリアの王子がリメイクではずっと元気なままでしたしラスボスも一回目の挑戦で倒せました。
どうやらレベルが上がりやすくなるよう調整されているようでその影響で敵が弱く感じられたのかもしれません。良くも悪くも現代風という感じです。
改良されていない部分も
戦闘画面の背景グラフィックはドラクエ2では敵が複数出るために容量不足から全面黒になりました。しかし前作ドラクエの背景グラフィック自体大したことなかったので特に気になりません。
移動速度はゆっくりでドラクエと変わらない感じがするので現代のプレイヤーはイライラするかも。
あとゲームの再開は相変わらずパスワードのままなので面倒です。教会でセーブできるバッテリーバックアップ方式になるのは次のドラクエ3の登場まで待つことになります。
でも、バッテリーバックアップはセーブが消えるというリスクもあり、パスワードだと理論上永久に情報が残せるのでいい部分もありますね。
リメイク版ではもちろんセーブ機能搭載で好きな場所で中断できます。移動スピードも速くなりました。
ドラクエ2感想まとめ
前作の一人旅からパーティ制になりストーリーと謎解きのボリュームもアップし、さらに戦闘の戦略性も増しました。
マルチウインドウも整理されさらに遊び易くなり、曲も前作同様に素晴らしく見事に正統進化したドラクエ2。
パスワードで再開や移動スピードなどは改善されず(リメイク版はセーブ機能搭載で移動スピードもアップ)謎解き戦闘共に難易度は上昇しましたが、今のRPGにない歯ごたえがあり、自分で冒険している感の味わえる名作は今でも十分通用すると思います。
プレイするならやっぱりこのファミコンの原作でしょう。リメイク版は難易度が下がっているしグラフィックも綺麗とはいえバランスの悪い感じで微妙ですし、本当のドラクエ2を味わえないと思います。
それにしてもこのドラクエ2であらかた後にスーパーファミコン、プレイステーションで花開く和製RPGの原型ができたんじゃないでしょうか。 そういう意味でも偉大なゲームだと思います。
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