ドラクエの堀井雄二氏、FFの坂口博信氏、ドラゴンボールの鳥山明氏という当時ライバル関係にあったドラクエとFF製作主要人物がタッグを組むというドリームプロジェクトから生まれたRPG「クロノトリガー」。
今回は移植されたPS版とスチーム版(アップグレード版)のクロノトリガーをプレイした感想を書きます。
スチーム版は配信開始当初スマホ版からの移植のためUIが良くなくバグもありましたが現在はアップデートで解消。実際どうなのかも書きます。
さらに原作のスーパーファミコン版とPS版、スチーム版との違いも書きます。
よければ参考にしていただけたらと思います。
※スーパーファミコン版は未プレイです。
※ネタバレなしです。
ジャンル | RPG |
対応機種 | スーパーファミコン PS DS ios Android Steam |
メーカー | スクウェア(現スクウェア・エニックス) |
発売日 | スーパーファミコン1995年3月11日 |
プレイ時間(クリア)のめやす | 30時間ほど |
特徴 | タイムトラベルが題材 ドット絵が独特で美しい この作品がデビュー作の光田康典氏による曲は名曲ぞろい |
クロノトリガー スーパーファミコン版、PS版、スチーム版の違い
「クロノトリガー」スーパーファミコン版を基準にPS版、スチーム版それぞれどこが違うのかというと、
PS版
- オープニングや一部の場面でムービーの追加
- 「おまけ」で音楽とムービーが視聴できる、敵や技、アイテムのデータが見れる
スチーム版
- DS版の追加シナリオが遊べる
- オープニングや一部の場面でムービーあり
- 「おまけ」モードあり
- 解像度変更可
- ボタン配置変更可
- Yボタンでメニュー終了できる
- フォントが高解像度化
- 中断可能
- オート戦闘あり
- オートセーブ(マップ切り替え事に)
気づいた所はこんな感じです。
クロノトリガー感想
スーパーファミコン後期ならではのドット絵と音楽
ドット絵に関しては今見ても美しいと感じました。PCでプレイしてもスーパーファミコン時代の少し色彩抑え目な感じの淡い独特なグラフィックが味わえます。
同じハイクオリティなドット絵でもFFピクセルリマスターとは違う雰囲気です。
ドット絵アニメーションもよく動きマップや戦闘中よく動きます。結構コミカルな場面が多いように思いました。
敵と戦闘になる前の演出も凝っているし宿屋で従業員がベッドを直しに来るなど細かな演出もあり演出面でも細部まで芸が細かいと感じました。
さすがスーパーファミコン後期の頃に出たゲームだけあってかドット絵の技術、演出もだいぶん極まった感じでしょうか。このあたりのゲームがドット絵クオリティのピークなんじゃないかと思います。
反対にウリでもあるPS版のムービーはぶっちゃけそんなに響かない感じでした。クロノトリガーはドット絵ですべて完結させた方が合っているんじゃないかと。
PSで出たRPGはムービーをつけないといけないような妙な風潮があったのでそれにならったのかも。
曲は作曲家の光田康典氏のデビュー作で初仕事とは思えないような凄まじくハイクオリティな曲ばかり。
クロノトリガーのコミカルな場面や神秘的な場面の演出効果に力を貸していると感じました。ゲームの曲としてプレイ中の邪魔にならないし単品で聞いても聞きごたえがあります。
ゲームクリアするとメニュー「おまけ」→「サウンド」で曲が聞けるのでサウンドトラック代わりになりお得な感じです。
今でも人気なのが納得のストーリーとキャラ
スーパーファミコン時代のゲームだけあってか子供を意識した感じの物語でコミカルな場面が多いしタイムトラベルのシナリオは大長編のドラえもん的な感じがしました。
例えば、あるモンスターのせいで滅んだ村を過去に行きモンスターを倒し村を復活させるという感じでしょうか。
漫画やアニメではよくある題材ですが、ゲームでやると自分で未来を変えていく感じが味わえて楽しめました。
実際は一個人の意思で未来を簡単に変えているととんでもないことになりそうだしゲームならではでの楽しみだと思います。といってもタイムトラベルなんて現状できませんけど。(笑)
ストーリーはコミカルな場面も多く、メインシナリオライターの加藤正人氏らしい神秘的で感傷的な感じも健在。この感じは続編「クロノクロス」に続く感じです。
一つの星を舞台にした壮大な物語が楽しめました。
スーパーファミコン時代のRPGはシナリオ重視でほとんど一本道なゲームが多い中、クロノトリガーはシナリオ、アイテム収集の選択できる要素が多く周回プレイも楽しいです。
キャラに関しては主人公はドラクエ的無口系の主人公なのですんなりクロノトリガーの世界に入れます。
仲間のキャラは美少女からロボ、カエルまで幅広く個性豊かで飽きず魅力的です。クロノトリガーが長年愛され続けているのはこのキャラも大きく貢献しているんじゃないかと。
個人的にはマールやルッカのような美少女キャラよりもカエルやロボのような色ものキャラが気に入りました。特にカエルの彼のつらい過去から脱却する物語は熱くテーマ曲も盛り上げてくれるのでお気に入りです。ロボの物語もベタとはいえ暖かな気持ちになれました。
仲間になるキャラクターの各エピソードがあり掘り下げられているのでキャラ人気が出るのは納得です。
工夫された当時としては新しい戦闘システム
シンボルエンカウントでシームレスで移行するコマンド式の戦闘はランダムエンカウントで戦闘画面に移行するRPGが主流であった当時では珍しかったと思います。
FFのようなアクティブタイムバトルなのでコマンド入力が忙しく若干アクション的な感じもあるので(「ウェイト」に設定で魔法、アイテム選択時には時間が止まるようにもできる)現代の戦闘がアクションのRPGに慣れた人でも受け入れやすいかも。
技というスキルの概念があり効果範囲が視覚的に分かりリアルタイムに敵が動くので敵に届くか届かないか変わっていくというのも当時としては新しかったと思います。
キャラ同士が最大3人まで協力して強力な連携技が出せ仲間キャラが多いのでこのいろいろ連携技を探すのが楽しいです。
ちょっと気になったのは最終局面では個人の強い技を使った方が効率が良くなるので連携技の存在が微妙になるのは少し残念かなと。
敵に関しては物理で叩く、弱点を突いて倒すだけの単調な戦闘ににならないように弱点の違う敵を複数混ぜ弱点以外の攻撃を当てるととカウンターをしてくる(要は全体魔法が使いにくくなる)、敵の武器を壊せる場合があり壊すと戦いやすくなるなど色々工夫があります。
このあたりはさすがに長年RPGを作ってきたスクウェアという感じです。それでも今となっては割とシンプルかもしれませんが十分楽しめました。
個人的に気になったのは戦闘のテンポでちょっと間延びした感じに感じられたところ。
全体攻撃で敵を倒したときは敵が一体ずつ消えるのはさすがに今となってはまどろっこしい感じがします。各モーションのスピードも少しまったりした感じ。
戦闘システム以外ではメッセージが表示された状態でも移動できるのが地味に快適で良かったです。
スチーム版ではフォントが変更されていてフォントがきれいで若干浮いていますが割とすぐ慣れました。でもこのフォントが気に入らないというファンも多いと思うのでFFピクセルリマスターともにこの辺りが次のリメイクリマスター、移植作品の課題ではないかと。
ロード時間はPS版と比べほとんど無いのでストレス無しです。プレイ時間も短縮されました。
スチーム版バグについて
スチーム版は配信開始当初スマホ版からの移植のためUIが良くなくバグもあるとのこと。
実際はUIに関しては問題なかったです。ちなみに市販のゲーム用コントローラーでプレイしました。
ただバグというか管理人のPC環境では強制終了の回数が多くクリアまでに10回以上は強制終了したと思います。幸いオートセーブがマップ切り替えたびにあるのでそこまでストレスになりませんでしたがあまり安定はしていないかもしれません。
まとめ
国内外から評価されている人気RPGで伝説が伝説にならず今の時代プレイしても十分面白いと感じました。
戦闘システムもスクウェアの定番、アクティブタイムバトル、連携技と工夫があり多少もったりしたテンポではあるけど今やってもなかなかのやりごたえでした。
グラフィックや曲に関しては言うことなくハイクオリティです。今では新作で味わうことができないスーパーファミコンのゲームらしい淡い独特な感じのドット絵を堪能できたし、光田康典氏の幻想的な曲もクロノトリガーにベストマッチしていると思います。
タイムトラベルを題材にした物語は自分で操作できるゲームで体験するとまた違った味わいがあるしキャラも各掘り下げがあり魅力的です。
さすがに名作だけあってにスキのないハイクオリティな作品でした。
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