RPGファン待望のFFシリーズ最新作「ファイナルファンタジー16」が2023年6月22日ついに発売。
個人的にはアクションRPGという事に若干の懸念がありながらも、家電量販店でPVを見ていると面白そうだったのでPS5本体と一緒に購入。
実際FF16をプレイしてみるとアクションは初心者が遊びやすいように配慮されているうえ奥深く、ストーリーはまるで映画の主人公になったような気分が味わえながら随所にFFシリーズらしさもありと、とても満足できました。
今回はこのFF16の感想をより詳細に書くのでよければ参考にしていただけたらと思います。
※ネタバレ無し。
※本編クリア、サブクエ全てクリア済み。
ジャンル | アクションRPG |
対応機種 | PS5 |
メーカー | スクウェア・エニックス |
発売日 | 2023年6月22日 |
価格 | 通常版9,900円(税込み) デラックス版12,100円(税込み) コレクターズ版38,500円(税込み)※販売終了 |
CERO | D(17歳以上対象) |
クリアまでのプレイ時間
公式によるとストーリーを普通に追っていった場合、おおよそ35時間ほど。
サブクエストやレアモンスター討伐など、やり込むと80時間は遊べます。
アクション戦闘
やはり今作FF16で一番気になるのはアクションの戦闘部分。完全手動でアクションを楽しめる「アクションフォーカスモード」で挑戦しました。
まず、操作感は素直でスムーズ、アクションに慣れていないプレイヤーでもすぐになじめる感じです。
最初は剣での近接攻撃がメインで、補助として魔法での遠距離攻撃で遠くにいる敵や飛んでる敵を倒していく感じで慣れてくるとフィートという召喚獣の特殊行動(最初はフェニックスの瞬時に敵に近づける技)を使っていくというプレイスタイルでした。
さらに慣れてくると召喚獣アビリティ(必殺技的なもの)を使い連続攻撃のコンボを狙いく感じ。
そして、敵の攻撃は回避できるのでタイミングよく回避ボタンを押し回避。意外とタイミングが難しく、上手く回避するには敵の動きをよく見極めて回避ボタンを押す必要があります。
こうなってくるとさすがに操作は複雑でアクションゲームは久々なうえ、最新のアクションゲームはプレイしてこなかったので慣れるまでは結構操作に苦戦しました。
とはいえ、雑魚敵はかなり弱く無双ゲー並みに棒立ちしてくれているので実践で操作の練習がある程度可能。(トレーニングモードもある)
雑魚戦とは打って変わって、ボスや強敵(中ボスのようなもの)は強力で操作に慣れない序盤は結構ゲームオーバーに。
このあたりの雑魚は弱くボスは手強くある程度戦略が必要と緩急の付け方がゲームプレイを飽きさせない作りで楽しめます。
ボスや強敵には意志力を表す「ウィルゲージ」というものがあって、これを減らすと敵をダウンさせることができ、一方的に攻撃が可能でこれが非常に爽快。
ウィルゲージを減らし敵をダウンさせた状態でコンボを狙い、いかに多くのHPを削っていくかが攻略のカギという感じでしょう。
これらの戦闘システムを浅い程度に理解し割とボタンを適当に押して普通にゲームを進めていくだけでも結構上手くなって最終的にそれなりにカッコ良く戦えるようになりました。
さすがに万人が楽しめるFFシリーズという事でこういう調整は絶妙。アクションゲームが得意でなくてもFF16を楽しむことができました。
さらに救済措置として攻撃や回避、アイテム使用など自動でやってくれるアクセサリーも装備できるので敵が倒せず詰むという事はほとんど無いでしょう。
今回FF16のウリのひとつである召喚獣バトル。
まさしく体感するという表現がふさわしいプレイフィールでジェットコースターのような体験という言葉が一番しっくりくるプレイシーンじゃないでしょうか。
通常戦闘の本格アクションとは違い迫力ある映像、というか目まぐるしい映像とそれに見合った音楽でゲームがジェットコースターのごとく進みだし圧倒されつつも忙しい感じで「えっ、まだあるの・・・!」という状況もしばしば。あるバトルではGガンダムを思い浮かべてしまいました。
敵に勝った時の達成感もすごいですが、疲労感はそれを増します。ゲームでこんな体験は初めてで遊園地の体験アトラクション的。
ハイスペックゲーム機のPS5ならではの新鮮な体験でした。
個人的にアクションゲームとしての不満点は特になく、カットシーンはボタン入力を求められるいわゆるQTE的なものも正直初めはめんどうかな?という印象ながらやっていくうちに主人公のクライブと一体感を持つことができ、これは必要なシステムだと思うように。
最新の本格アクションにおそらく初めて触れてみてぶっちゃけ疲れは隠せないながらも存分に楽しめたと思います。
世界観
世界観はPVなどからダークファンタジーかと思っていましたが実際遊んでみると、中世ヨーロッパのハイファンタジー(リアリティのあるファンタジー)にダークファンタジー要素を入れたという感じ。
そして、FF初期シリーズの象徴だったクリスタルと召喚獣が登場。ただの象徴的な存在ではなく物語に深く関わってきます。FFシリーズ経験者としては懐かしい気分になれるうれしい要素。
世界の描写は緻密で、町人が服を洗濯していたり大工仕事をしていたりなど町での人の営みが細かく描かれているうえ、一人一人に個性があります。
さらにハイクオリティなグラフィックで町の特色ごとに細かく人々の営みが描かれていてFF16の世界をよりリアルに感じられました。
あと、町の人の会話がストーリーの進行に応じて細かく変化するのもクラッシクなRPG好きとしては好感触。グランディアやルナなどのゲームアーツの昔のRPGを思い起こさせました。
ストーリー、キャラ
ストーリーはキャラの心情が丁寧に描かれているため人間ドラマが熱いし、映像的な見せ方が映画的。
展開的にはジェットコースターのようなスピード感ありがあり、謎を多く含ませているので先が気になる作り。基本シリアスでコメディ的な要素はほとんどないです。
CERO「D」(17歳以上対象)なので結構流血シーンが多くラブシーン的なものもあり、やや大人向けストーリーと言えるでしょう。
ただ映画的なだけでなく程よい感じでファミコン時代のFF的なシンプルで分かりやすい面も。
ストーリー展開的にファミコン時代のFFを感じさせるところがあり、本編クエストでは町の人から情報収集して事件を解決したりお使いを頼まれ、結構トントン拍子で進行していきます。
個人的はうれしい部分なのですが古臭いなどといった批判も出そうな感じです。
サブクエストもいつものおつかいだったり事件風のものが。
これらサブクエストのストーリーもかなり力が入っており、FF16の世情や風俗を感じることができたり、仲間キャラについて深掘りされており、詳細な人となりや過去の出来事を深く知れます。
このあたりにもFF16の世界の密度の高さを感じました。
あとは、現代社会の問題と照らし合わせられたような面があり結構色々考えさせられたのでエンターテインメントという枠に縛られないところも良かったと思います。
世界設定やキャラの思惑などすべてが語られているわけではないので考察の余地があるのも良く、クリア後の余韻となりました。
キャラについて、主人公のクライブは寡黙なヒーローとという感じで嫌みな所が無いため比較的感情移入はしやすかったです。プレイヤーが操作するキャラとして適役と感じました。
ヒロインのジルは最近のFFヒロインの中では美女ながらもやや地味な印象。ファミコン時代のFFのヒロインに近い印象を受けました。
システム
システム画面の操作でR2L2ボタンでメニュー項目を選択するのが最近のゲームのスタンダードのようですがR2L2ボタンは押し込みが深いので慣れるまでは少しやりずらい感じでした。というか最後まで慣れなかったかも・・。
重要アイテムを取るときやアイテムを買うときはボタンを長押しする仕様。初めは気づきませんでしたがこちらはすぐに慣れました。
装備は武器、腰ベルト、腕輪にアクセサリー3つ。武器、腰ベルト、腕輪は集めた素材で新たに作り出したり、鍛冶で強化できるのでプレイヤーなりの装備を整えることはできます。必要最低限という感じでシンプル。
マップは想像していたより広めに感じました。これから訪れる目的地が遠目に見えるのは世界を体感できるしワクワクして気持ちが良いです。
ただ、侵入不可の場所は結構多いし、オープンワールドのマップのイメージで臨むと肩透かしを食らいそう。ストーリー重視のゲームのマップという感じだと思います。
移動についてはマップ上の重要拠点にファストトラベルで自由に移動できるしロードも5秒ほどと短いのでストレスになる事は無かったです。
FF16はキャラ、地理などの固有名詞が多く出てきて混乱しがちですが、タッチパッドを長押しすることで表示される「アクティブタイムロア」でメインストーリー上の登場人物、キーワードが確認可能。
ストーリーの状況に応じて必要最低限の情報が確認できてこれが非常に便利。スムーズにFF16の世界に入ることができました。
今回FF16ではFFシリーズでは当たり前のMPや魔法属性の弱点攻撃的な要素は無し。
FFシリーズ経験者なので少々戸惑いましたが、実際遊んでみると全く気になりませんでした。
グラフィック
グラフィックにこだわるFFシリーズの最新作だけあってグラフィックは超美麗。
キャラの服や肌の質感なんかもかなりリアリティがあり、毛穴やそばかすなども細かに描写。揺らめく髪の動きなんかもリアリティがあり、欧米の映画俳優を見ているような感じです。
質感の細かさだけでなく表情の細かさなど演技面でも繊細な表現がすごくハイクオリティ。キャラの心情を表情でくみ取ることができます。
背景では入りくねった繁華街の道や農村などの風景も中世時代らしいリアルな描写で説得力があるし森、岩山、湿地帯、浜辺など自然物のロケーションも豊富でリアル感があり美しいです。それらしい空気感がしっかりと感じられました。
グラフィックの彩度は大人向けファンタジーの作品というためか派手さは無く全体的に落ち着いた感じです。
ムービーも美しく、召喚獣のバトルは迫力のあるカメラワークで見ごたえがあります。緻密で精細な感じもかなりすごい。
さすがグラフィックにこだわるFFシリーズだけあってFF16はPS5のゲームの中でも最高峰のグラフィッククオリティと言っていいんじゃないでしょうか。
音楽
曲は中世ヨーロッパ風の世界観に合ったクラシック調でイメージにピッタリ。
戦闘なら激しい曲、シリアスな場面なら緊張感のある曲、落ち着いた場面ならゆったりとした曲と場面場面に合わせて非常に的確な曲が流れてきます。
作曲担当の祖堅さんの曲をゲームで聞くのはこのFF16が初めてですが結構手堅い感じのするイメージでした。
ただ個人的に大きく印象に残る曲は無かったかも。
FF7のエアリスのテーマやFF3のクリスタルタワーの曲などといったドカンと個人的に響く曲があると嬉しかったかも。恐縮ですが。
米津玄師さんが手掛ける主題歌は、FF16のために作ったというだけあって、思った以上に場面合っていて良かったです。
まとめ
まず、プレイしての第一印象は海外ユーザーを強く意識して今風の映画的なアクションRPGとして作られているなという印象でした。
しかし、進めていくごとに昔のFFシリーズ的要素も多く感じられ現代ゲームとしてスタンダードな洋画的、アクション的要素とFFシリーズ伝統の要素をうまくミックスさせたものになっていると感じました。
アクション戦闘の操作感は小気味よく「ウイルゲージ」を減らして敵をダウンさせた後「召喚獣アビリティ」を織り交ぜたコンボを敵に叩き込むのは楽しいし、雑魚は楽勝、ボスは手強いという敵の強さの緩急が効いていて気持ちよく遊べるのも好感触。
召喚獣バトルは遊園地のアトラクションを体験しているような疲労感を伴う妙な満足感。次世代ゲーム機ならではの体験ができます。
ストーリーはハイファンタジー+ダークファンタジー的な世界観の中に映画的な手法と昔のRPG的な手法を織り交ぜつつ謎の多い展開で熱中できるし、大人でも共感できる部分もあり満足。
当方、FFシリーズ経験者から見た極端な言い方をすると、現代最高峰のシナリオ演出とグラフィック技術、アクションの戦闘システムを用い、莫大な制作費と労力をかけてファミコン時代の昔ながらのFFを作るとどうなるのかという問いのひとつの答えがこのFF16という感じでしょうか。
ゲームとしてのクオリティの高さは折り紙付きだし、FFシリーズのファンという事もあって大満足のゲーム体験となりました。
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