板タブと液タブでの線画作業で効率が良いのは液タブなんじゃ?というのが世間の風潮だと思います。
しかし実際はどうなのか疑問に思ったので検証してみました。
結果はきん差で液タブの勝利。
今回はこの検証の詳細を書くのでよかったら参考にしてください。
※検証者、当ブログ管理人の板タブ歴は5、6年(ブランクあり、板タブの設定は少々特殊)で液タブ歴は8ヶ月という状態での検証です。
一応両方扱う技術は同じレベルでそこそこ慣れている状態(上手いわけではない)。
絶対的に板タブ、液タブの使う技術が同じという訳では無いのでご理解お願いします。
検証方法
今回は液タブと板タブではどちらが線画作業、つまり正確にかつ素早く線が引けるのかという実験なのである記号とキャラ絵の下書きを用意し、それを元にペン入れするという方法を取ります。
書き終わった時間と線を引き直した回数を記録し液タブ、板タブのどちらが線画作業で効率がいいのか判定します。
検証環境は以下の通り。
- ペイントソフト クリップスタジオ
- モニタ 22インチFHD
- 板タブ One by Wacom
- 液タブ Cintiq16
- 用紙 800×600PX
- 解像度 72dpi
- 拡大縮小、回転機能は使用せず描きやすい大きさで描く
【前提】 検証に使う板タブの設定は多少特殊、管理人が個人的に線が引きやすいと感じるように普通の設定とは違う設定をしてあります。
具体的に言うとモニタの操作エリアを板タブの読み取り範囲の大きさに近づけてあります。(ワコムタブレットのプロパティで設定)
簡単な記号での検証
まずは前もって書いておいた簡単な記号を描くのにかかった時間と線の引き直し回数を測ります。
記号は〇△□の三つ。それぞれ一筆書きで描きます。結果は以下。
結果画像
かかった時間
- 液タブ38秒
- 板タブ55秒
線の引き直し回数
- 液タブ2回
- 板タブ5回
簡単な記号では板タブが少し遅れをとるという感じです。でも思ったより差は少ないです。
キャラ絵の下書きからのペン入れ
次はキャラ絵のペン入れ。顔の絵のペン入れです。
普通にペン入れし、描くのにかかった時間と線の引き直し回数を測ります。
以下結果です。
結果画像
かかった時間
- 液タブ4分00秒
- 板タブ5分06秒
線の引き直し回数
- 液タブ3回
- 板タブ11回
けっこう板タブの線の引き直し回数が多くなってしまいました。板タブあるあるという感じです。
数値としてはキャラ絵でも板タブの方が少し効率が悪いという結果に。
まとめ
検証結果としては記号のペン入れでは17秒液タブのほうが早く、引き直し回数も3回少なかったです。
キャラ絵のペン入れでも1分6秒液タブのほうが早く、引き直し回数は8回液タブのほうが少ないです。
という事で、数値的には液タブのほうが線画作業の効率がいいとなりました。
ただ、管理人が板タブを使うのにブランクがあり若干液タブの操作に慣れているのが結構影響していると思います。
その差が微妙に出たので数値以上に液タブと板タブの効率という面では差がないと思います。感覚では若干液タブのほうが効率がいいという感じだと思います。
板タブでも熟練次第では十分挽回可能だと。
気になる点では板タブは効率がどうのというよりもあまりのびのび線が引けないなと思いました。コントロールするのに必死な感じになってしまいます。
この辺りも練習次第では大分違和感なくのびのび線が引けるようにはなると思います。ただそのレベルまで上達するのには時間がかかるんじゃないかと思います。
まとめると、
線画作業の効率は液タブの方がいい。
ただ時間はかかるが練習次第で板タブでも液タブ並みに効率的に線画作業ができる可能性はある、そこまで差はないという結論にしたいと思います。
やっぱり何事も慣れが必要という事でしょうか。
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